【スライドorヒンジ】クルマのドアタイプによるメリットとデメリットとは? (2/2ページ)

軽量で高剛性なヒンジドアは汎用性が高い

 モーターショーなどに出展されるコンセプトカーでは、スポーツカーのようなスタイルを持つスライドドア車が出現したりするが、重量がかさみ剛性面でも不利なスライドドアは、高級セダンやスポーツカーではまず採用されない。実用性重視のSUVにもありそうでないのは、悪路走行など路面からの大きな入力に対応させるのが難しい(無駄なコストがかかる)からだ。

 一方のヒンジドアのメリットは、スライドドアよりは軽量で高剛性、部品点数も少なくなるということになるが、じつは高級感でも大きなアドバンテージを持つ。

 オートクロージャーで閉まるスライドドアにも一定のゴージャス感や先進性は感じられるもの、やはり高級車のヒンジドアが閉まるときのプレミアム感にはまだ及ばないし、密封性や静粛性でもヒンジドアは有利だ。

 あとは汎用性。ヒンジドアのクルマのフロアは派生車種がいくらでも作れるが、スライドドア車は基本的に専用フロアとなるので、プラットフォーム統合によるコスト削減の足かせとなってしまう。マツダがミニバン市場から撤退し、スバルがスライドドアのミニバンを一度も作らなかった(軽ワンボックスベースのドミンゴを除く)のは、比較的小規模なメーカーにとっては負担が大きくなるという事情によるところも大きい。

 それでも日本の生活環境ではスライドドアの利便性は得難い魅力なので、将来的にはもっと軽くて安く、丈夫でオシャレで高級感も備わる万能的なスライドドアが誕生し、ヒンジドアを完全に駆逐してしまうのかも知れない。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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