社会復帰のためにクルマを必要とする方への支援活動を展開中
7月18日、Honda交通教育センター レインボー埼玉(埼玉県比企郡)で、メディアを対象とした、ホンダが展開している安全運転普及活動の取材会が実施された。
この領域の環境としては現在各種法整備も進み、障がいがあっても社会で活躍をしてもらおうという考えのもと、障がい者を「保護」から「自立支援」へ、という流れに大きくシフトしているという。
そのなかで、障がいを負った人たちが危惧していることの一つに、運転再開に際しての運転能力評価方法/判断基準が不明確であるということがある。障がいを負ったあとに運転を再開するにあたり、道路交通法の改正もあって運転免許試験場で臨時適性検査を受けることとなるのだが、実際の免許の交付についても各地の公安委員会ごとに判断のズレがある可能性があるという。そのため、診断書を作成するリハビリセンターなどでは、面談・相談ではなく、実際に車両を操作するなどの運転能力を評価をしたいという要望があるとのことだ。
これに対し、ホンダでは「シミュレーター(リハビリ向け運転能力サポートソフト)」と「自操安全運転プログラム」を用意し、現在150台強のシミュレーターを各地の病院やリハビリ施設に納入。さらにホンダの交通教育センター7か所及び地域の教習所にも協力賛同してもらう形で現在11か所で実車による訓練が可能となっている。
今回は、実際に昨年脳梗塞を患い左半身に後遺症が残っているものの運転再開を目指す平松吉一さんの実際の運転技能の確認の受講の様子を取材させてもらった。その平松さんが相談をした作業療法士の伊賀博紀さん(医療法人社団明芳会IMSグループ イムス板橋リハビリテーション病院)も立ち合っての受講で、交通教育センター レインボー埼玉の倉田インストラクターが、平松さんの運転技能の評価を行った。
ちなみにこのレインボー埼玉での評価に使用した車両は、いわゆる福祉車両として運転補助装置を装着した車両。受講者それぞれのニーズに合わせて、手動運転補助装置、左足用アクセルペダル、ハンドル旋廻ノブ、ウインカー&ワイパーレバーなどを簡易的に付け外しをして実際に評価走行を行っている。