エンジンはガソリンとディーゼルを含め4種類を用意
「インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス(IDD)」を搭載したAWDシステムでは、通常は前後トルクを50:50で配分し、路面状況に応じてリヤ100%からフロント100%のまで配分。6つのモードからエンジン、ギヤボックス、ディファレンシャル、サスペンションなどの設定を選べる「テレイン・レスポンス」を標準装備し、走行状況をモニターしながら自動的にモード設定を変更する「テレイン・レスポンス2オート」も選択可能とした。
そのほか、後輪の滑りを抑えてトラクションを最大限に引き出す「アクティブ・リア・ロッキング・ディファレンシャル」、滑りやすい路面や下り坂でもステアリング操作のみで一定速度で低速走行できる「オール・テレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)」、急勾配の下り坂で一定速度を維持し安定した操作性を確保する「ヒル・ディセント・コントロール」、ドアミラー内蔵センサーで水深を検知しディスプレイに表示する「ウェイド・センシング」を用意。
ボディの80%以上にアルミ合金を使用した軽量モノコック車体構造と、アプローチアングル28.89度、デパーチャーアングル29.50度、最大渡河水深650mm(エアサスペンション搭載車)のパッケージングも相まって、オン・オフ問わず高い運動性能を兼ね備えている。
予防安全装備としては、レーンデパーチャーワーニング(車線逸脱警告機能)、自動緊急ブレーキ、360度ビュー&パーキングガイド機能付きサラウンドカメラ・システムを全車標準装備し、ブラインド・スポット・アシスト、レーンキープ・アシスト、ACC、パークアシストなどを設定。
スマートフォンのアプリを介して、車両から離れた場所でドアのロックや解除、エアコンの操作、走行履歴や車両状態を確認したり、緊急時にはスマートロードサイドアシスタンスやSOS緊急コールもできる「リモート」、同時に8台まで接続が可能なWi-Fiホットスポットとなる「コネクトプロパック」、スマートフォンの車両用アプリを操作できる「スマートフォンパック」、万が一車両が盗難にあった際に車両位置を捜査機関に通知できる「セキュアトラッカー」など、コネクティビティ機能も充実している。
パワートレインは、ランドローバー初搭載となる2リッター直4直噴ターボ「インジニウム」ガソリンエンジンが250馬力/365N・mと300馬力/400N・mという出力違いの2種類、180馬力/430N・mを発する2リッター直4直噴ターボ「インジニウム」ディーゼルエンジン、380馬力/450N・mを発する3リッターV6直噴スーパーチャージドガソリンエンジンの計4種類を設定し、全車にZF製8速ATを組み合わせる。
ボディタイプは標準仕様と、フロントバンパーとボンネットの両サイドにスリット入りの開口部を備えたエアロ仕様「R-ダイナミック」の2種類。両者に「ヴェラール」、「S」、「SE」、「HSE」からなる4種類のトリムレベルを設定し、それぞれに4種類のパワートレインを選択可能とすることで、計32種類のグレードをカタログモデルとして展開する。
さらに、2018年モデル通年の期間限定車として「ファーストエディション」を設定。コチラは、3リッターV6ガソリンエンジンを搭載し、22インチスタイル9007アロイホイール、FIRST EDITIONバッジ、HUD、マトリックス・レーザーLEDヘッドランプ、ATPC、テレイン・レスポンス2オート、アクティビティキーなどを標準装備したほか、SVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)でサテンペイントフィニッシュを施す3色の特別なエクステリアカラー(フラックスシルバー、コリスグレー、シリコンシルバー)を用意した最上級グレードとなっている。
価格は699~1526万円。全幅こそ2032mmとワイドなものの、全長は4803mm、全高は1665mmと、日本の道路および市場環境にマッチしたサイズを持ち、かつてない32+1ものグレードを引っさげて上陸したヴェラール。ドイツ御三家に加えてポルシェ、ボルボ、レクサスなどの強豪ひしめく日本の高級ミドルラージSUV市場を、果たして攻略することができるか?