緊急時に使うことが鉄則とされている
道路運送車両法により、自動車には非常時に緊急事態を知らせるため、非常信号の備付が義務付けられていて、どのクルマにも自動車用緊急保安炎筒、いわゆる発炎筒が搭載されている。
もともとは、踏切事故防止を図る目的で非常用信号用具の装着が義務付けられたのが始まりだが、現在は踏切事故の防止に加え、道路上、とくに高速道路上における自動車交通事故防止のために利用されることが多くなり、かなり大きな効果をあげている。
その発炎筒は、どのような場面で使用すればいいかご存じだろうか? 日本保安炎筒工業会のホームページには、下記のように紹介されている。
①高速道路でパンクや燃料切れで緊急停車をした時
②踏切で脱輪や動けない状態になってしまった時
③カーブ等の見通しの悪い個所で故障等を起こした時
④その他、気象状況悪化による視界不良下で緊急事態が発生した時
発炎筒を着火すると鮮やかな赤色の炎を発し、赤色炎は昼間は600m以上、夜間は2km以上から視認できることになっている(ただし燃焼時間の基準は、1本につき5分以上というのが基準)。
発炎筒以外に、「160カンデラ以上の(回転する)赤色光」を発する非常用信号灯も、非常信号用具として認められていて、発炎筒の代わりに発光ダイオードを用いた非常用信号灯をクルマに搭載しているクルマも増えつつある。
また、発炎筒は火薬類取締法上の「がん具煙火」という扱いになるので、不要になった未使用の発炎筒は、地域にゴミとして捨てるのはNG。ディーラーや整備工場などで、きちんと回収してもらわなければならないので気を付けること。
さらに発炎筒の有効期限は、日本工業規格(JIS)で定められているので、有効期限=4年が過ぎたら、未使用であっても、必ず交換しておこう。なお、発炎筒は、「発煙筒」ではなく、「発炎筒」と表記するのが正しい。