この記事をまとめると
■ATFを頻繁に交換するとAT壊れるという噂がある
■実際には規格が合っていれば壊れることはない
■しかし壊れやすい状況も存在する
10年以上前のATの場合交換後に壊れることがある
マニュアルトランスミッション(以下MT)には、ミッションオイルが使われているのはご存じのとおり。一方、今や搭載比率90パーセント以上というオートマチックトランスミッション(以下、AT)にはなにが使われているかというと、ATFだ。
よく「オートマオイル」と呼ぶ人もいるが、じつは違う。ATFのFは「フルード」のことで、オイルの一種ではあるが、用語的には大きな違いがある。潤滑を主な目的とするのがオイルなのに対して、フルードは作動油的な意味合いが強い。もちろんAT内部を潤滑もしているが、変速や動力伝達などが重要な役割となっている。
それだけシビアな環境で使われているATFだが、純正の交換指定はメーカーによって異なる。部品や組み付け精度、素材の向上などで以前より内部が汚れにくくなっているので、最新のATでは、無交換だったり、シビアコンディションで10万kmごとなど、いずれにしても頻繁に交換しなくてもいいのは確かだ。
そこで、出てくるのがATFを頻繁に交換すると、壊れるという噂。確かに、デキシロンやマーコンといった従来からの規格に加えて、最近では専用の特殊なATFを指定するクルマもあるにはある。こういったものに対しては専用品を使うのは当然で、指定外を使うと壊れたり、不調になることはある。