イタリア人デザイナーによる日本車離れしたスタイリング
スタイリングもご覧のように国産車に見えない。コンパーノのデザインを手掛けたのはフェラーリ、マセラティなどで数々の名車を手掛けてきたデザイナー「ヴィニャーレ」によるものだ。確かにコンパーノが放つソツがなく凛としたスタイリングは、イタリア車の佇まいと香りがする。
室内も木目パネルに丸形のメーターをスポーティーに配置し仕上げている。ステアリングはウッド調の3本スポークに、フロアシフトの4速Hパターンを採用した。フロントシートは、当時としてはバケットタイプに仕立てられておりスポーティ感を演出。リヤシートはプラス2的な考え方だが子供なら充分に座ることが出来る仕立てとなっている。幌は手動ながら30秒で開閉することができ、当時の国産車としてはもっとも早いワンタッチシステムを取り入れ点は特筆に値する。
セダンのベルリーナのエンジンをSUツインキャブ化し、よりスポーティ指向にされたエンジンからは65馬力/7.8kg-mを発揮し、最高速度は145km/hまで引き上げられている。SUツインキャブレターの採用により最大出力と最大トルクを向上させている一方で、カタログ燃費は21km/Lと高燃費を謳っている。
同年11月に1000GTが追加されコンパーノは1969年まで製産された。その後はトヨタパプリカの兄弟モデル「コンソルテ・ベルリーナ」に切り替わり、ダイハツ・ベルリーナは残念ながら一代限りで幕を閉じることになる。
今回展示されているコンパーノスパイダーはダイハツが保管している1台で、2017年9月末まで東京支社に展示しているという。ダイハツの意欲作だったコンパーノ・スパイダーは現存車種が非常に少ない稀少車だから、この機会にぜひ見ておきたい一台だ。
【住所】
〒103-0023
東京都中央区日本橋本町2-2-10
【時間】
7時から19まで
※イベントがない限りどなたでも見られます