「本物感」ではなく「本物」の高級が味わえるクルマに
2つ目の狙いである「時代分の進化」は、おもに内外装のデザインによって表現されている。石井さんはこう語る。
「本物感から本物への昇華を狙いました。より本物となった高級感を味わっていただけるクルマに仕上げました」
そして3つ目の狙いである先進・安全装備の充実。新型ハリアーでは、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」や電動パーキングブレーキの標準装備をはじめ、フロントのランプにはアダプティブハイビームやシーケンシャルターンランプを採用するなど、安全性とともに使いやすさの向上も図られている。
「今の時代で欲しい装備をすべて欲張って入れたという感じの仕様です。さまざまな装備の充実を図りながら、ベースグレードの価格は従来と比べてそれほど上げてはいません。ターボについても、内容を見ていただけるとかなりお買い得感が高いことをお分かりいただけるはずです。どのグレードも自信を持っておススメできるクルマに仕上がったと自負しています」
じつは石井さん、マイナーチェンジモデルをすでにご自身でも購入済みとのこと。それは今回のマイナーチェンジを徹底的にやり切ったという想いがあるからこそだろう。
「その想いは強いですね。最後の最後まで徹底的に粘りましたからね。量産のための品質確認が終わったあとにも『ここを直させて欲しい』と言って設計サイドを困らせてしまったり(苦笑)。やっぱりお客様に同じ金額で買って頂くなら、少しでも良いものを買って頂きたいじゃないですか。粘っていい物ができるなら、とことん粘りたいんです。それはエンジニアとしての矜持みたいなものです。
けれど、こうしたこだわりが貫けるのは、頼りにできる開発メンバーたちがいるからです。ここまで商品力の高い新型ハリアーを作り上げることができたのは、彼らの存在があったからだと思っています」
エンジニアたちのプライドと団結。新型ハリアーは、彼らの熱い想いがしっかりと込められたクルマといえるだろう。