運転支援装置「プロパイロット」はエクストレイルとの相性抜群
ここ近年の、自動車における電子制御ソフトの進化スピードは目覚しいが、改めて今回もそれを実感した。昨年8月よりセレナから導入された日産の運転支援システム「プロパイロット」が今回試乗した新型エクストレイルにも採用されたのだ。
そして触れてみるとわかる……たった数カ月ではあるがその制御内容、とくに渋滞走行に対する支援制御と速度コントロールのスムースさがより洗練されていた。しかもエクストレイルが備える景色が見渡せる開放的な着座位置の高さとも相まって、それを使ったときの気持ち良さや快適性も高く、リアルワールドでより積極的に使いたいと思わせる内容に仕上がっていた。
そもそもプロパイロットとは何か? 今後も目覚しい進化をするだろうが、今時点では高速道路の同一車線を走る環境で、ドライバーに代わり、アクセル、ブレーキ、ステアリングの操作をクルマが支援してくれるもの。勘違いしないでほしいが、運転責任はドライバーにあり、幅寄せされるような割り込みを含めてセンサーが検知できない状況もまだあるので、運転しなくて良いなんて状況には絶対にならない。
そんな中途半端な機能ならいらないとか、だったら自分で運転するから必要ないと思う方もいるだろうが、そんな極端な判断や食わず嫌い判断は幸せの放棄になるので辞めたほうが良い。
なぜなら、支援と言いながらも、実際はかなり信頼して運転を任せられるレベルにある上に、その効果が想像以上に大きいからだ。しかもどのような機能もその作用や効果を踏まえてドライバーが「使いこなす」ことが大事。このプロパイロットも例外ではなく、苦手とするシーンや制御の癖を把握して使いこなせば、運転に伴う身体的かつ精神的な疲労度を大幅に軽減できる。
具体的には、「”この”車間距離で割り込まれたらブレーキが強めに掛かるから事前に自身の運転操作で減速しよう」とか、「”あの”前走車との速度差は大きいので早めに穏やかなブレーキが掛かるように車間距離設定を長いモードに変更しよう」、さらには「”この”曲がり具合のカーブではハンドル支援だけでは曲がれないので最初から自分主導でハンドル操作しよう」といった具合に、プロパイロットにすべてを任せるのではなく、必要ならすぐに自分で運転する気持ちを持ちながら協調して運転するのが大事。
しかもブレーキを踏んだりしてプロパイロットがキャンセルされても、ハンドルにあるボタン一つで容易にプロパイロットの再稼動が可能な手軽さも魅力だ。