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【世界の名車】祝60歳! ルパン三世でお馴染み2代目フィアット500 (1/2ページ)

【世界の名車】祝60歳! ルパン三世でお馴染み2代目フィアット500

チンクといえば誰もが思い浮かべるアノ姿はじつは二代目

 誰にだって誕生日というものがあるように、クルマにも誕生日といえる日がある。そして今日、7月4日はフィアット500、チンクエチェントの誕生日だ。ルパン三世の愛車としても知られるあの小さくて丸っこいイタリアの名車は、2017年7月4日の今日、満60歳となった。

「チンクエチェント」と聞けば多くの人がその愛らしいルックスを連想するものだけど、じつは丸っこいチンクエチェントはフィアット500としては2代目にあたる。初代は1936年に発表されたハツカネズミの意味を持つ「トポリーノ」というニックネームで呼ばれたモデルだ。

 映画「ローマの休日」で王女役のオードリー・ヘプバーンを撮影しようとするカメラマンの乗っていたクルマがトポリーノの前期型、といえばイメージできる人もおられるだろう。トポリーノは価格が安かったこともあって1955年までの間に50万台以上が販売された成功作となったが、ただひとつ、大衆車としては不利な点があった。基本、2人乗りだったのである。

 そこで今回のお話の主役、2代目フィアット500の登場となる。「新しい500」を意味する「NUOVA(ヌォーヴァ)500(チンクエチェント)」がデビューしたのは1957年の今日。同じ500を名乗りながらも、初代500とはまったく異なるコンセプトで設計・開発が行われていた。

 全長3mたらず、全幅1.3m少々という現代の基準からすると信じられないくらい小さな車体ながら、4人乗り。車体構造はラダーフレームではなく、より強度を得られるモノコックに。基本レイアウトはフロント・エンジン+リヤ・ドライブではなく、スペース効率に優れるリヤ・エンジン+リヤ・ドライブに。エンジンは水冷直列4気筒ではなく、簡素で低コストな空冷直列2気筒に。

キャンバス・トップが全車に備わるのは、空冷2気筒エンジンの音を車内にこもらせないため。丸っこいスタイリングは、デザイン性を狙ったというより軽量化と強度の両立のため。設計とデザインを担ったダンテ・ジアコーサ技師は、空冷2気筒エンジンの採用には後悔していたともいわれているが、当時としては天才的な設計であったのは間違いない。

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