ウエットカーボンもFRPより軽く強いがドライとは比較にならない
ウエットカーボンは、カーボン繊維を樹脂で挟む点でいうとドライカーボンと同じだが、カーボンに染み込ませる樹脂は熱硬化性のエポキシ樹脂ではなくポリエステル樹脂で、オートクレーブなどを用いずに自然乾燥させて作る。ガラス繊維をポリエステル樹脂で固めた繊維強化樹脂=いわゆるFRPと同じような製法なので、特別な設備も不要で低コストで製造できる。
しかし、超軽量、高剛性、高強度といった、本来のカーボンらしいメリットは期待できない(ウエットカーボンでもFRPよりは強度があって耐久性は高い。軽さでいえば、FRP製品の80%ぐらい。ドライカーボンなら、FRPより半分~1/3の重量で仕上げられる)。
見た目では、ドライカーボンとウエットカーボンの違いは分かりづらいので、ドレスアップパーツならウエットカーボンでも十分。実際、クルマ用のアフターパーツのカーボン製品の8~9割は、ウエットカーボンだと思っていい……。
本当に超軽量、高剛性、高強度にこだわるのなら、ドライカーボンの出番となる。しかし、コストとの兼ね合いもあるので、痛し痒しといったところ。カーボンパーツを選ぶときは、念のためドライカーボンか、ウエットカーボンなのかを確認してから購入しよう。