カンヌ映画祭のオフィシャルカーをイメージした1台
ルノー・ジャポンから、キャプチャーの特別仕様車「キャプチャー・カンヌ」が50台限定で発売された。映画好きならすぐにピンと来るだろうけど、これは世界3大映画祭のひとつであるカンヌ映画祭にちなんだ限定車。映画界のセレブリティ達を会場へと送り届けるオフィシャルカーをイメージしたモデルなのだ。 
キャプチャー・カンヌは2015年から、毎年このカンヌ映画祭の時期に合わせて発売されているが、その装いはすべて専用カラーではあるものの年ごとに絶妙に異なっている。今年のカンヌはブラン・ナクレ・メタリックとブラン・エトワール・メタリックのデュオ・トーン、サイドのアンダーモールとホイールのセンターキャップに鮮やかなブルーがあしらわれるという、シックななかにも華やかさが漂う見事なまでのパリ風味。
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ドアを開けるとサイドシルにもブルーでRENAULTのロゴがあしらわれたキックプレートが目に入り、室内へと視線を向けるとブラックレザーにグレイのファブリックのコンビネーションによるシックなインテリア、そしてところどころに配されるブルー・シルバーのトリムと、エクステリアに合わせたコーディネート。そして9インチのSDナビゲーションや前席シートヒーターなども標準装備。ベースとなったキャプチャー・インテンスにプラスしてこの装いなのだから、289万円(税込)という金額には割安感を感じる。
もちろんキャプチャー・カンヌはカンヌ映画祭にオーソライズされているので、当然ながら映画祭の象徴といえる「パルム(=黄金の椰子)」の公式エンブレムを身につけているわけだが、熱心な映画ファンとルノー・ファンならご存じのとおり、ルノーとカンヌ映画祭の縁は深い。1983年以来、ルノーはカンヌ映画祭にセレブリティ送迎車をはじめオフィシャルカーを提供し続けるなど、大きな協力を続けているのだ。第70回目を迎えた今年は、330台を超えるルノーがカンヌの街を走ったという。
それどころか、ルノーは映画そのものと浅からぬ縁がある。ルノーの創設者であるルイ・ルノーは、世界で初めて撮影と映写の機能を持った複合映写機を発明し、世界で初めて実写映画を制作し、世界で初めて有料公開したオーギュストとルイのリュミエール兄弟に、1899年に最初のルノー車である「ヴォワチュレット」を収めている。
最初に映画で撮影された自動車も、ルノーであったという。そして現在でもルノーの本社があり、かつては工場もあったルノーのスタートの地でもあるパリ郊外のブーローニュ・ビヤンクールは、1920年代からふたつの大きな撮影所を胞して映画産業の街としても発展した土地でもある。そうした縁もあって、ルノーは映画への支援を惜しまないのだろう。
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