祝インディ500優勝! 佐藤琢磨×中谷明彦スペシャル対談 (2/2ページ)

「赤旗のときは寝てたってホント?」「はい、寝ました」

中谷:ネットの情報で見たんだけど赤旗でレースが中断してたとき、寝てたって言うのは本当?

佐藤:はい、寝ました!

中谷:オレもね、そういうことあるのよ。

佐藤:ありますよね!

中谷:いつ始まるのかもわからないし、ずっと緊張してきているから、ちょっとでも休めるなら休みたいと思うんだよね。

佐藤:コクピットって意外と気持ちいいんですよね。身体にピッタリしてるし暖かいし(笑)。

  

中谷:インディ500は今、気候的に涼しいぐらいなの?

佐藤:あの日のレースは暑くなかったですね。もちろん汗はジトッと出て来ますけれども。

中谷:クールスーツは着ないの?

佐藤:着ないですね。フォーミュラカーは場所がないので、一切着用しません。

中谷:風を導入するとかもなく?

佐藤:コクピットに舞う風しかありません。ですからやはり汗でびっしょりになりますね。1レースで体重が2から3kgぐらい減ります。

中谷:ドリンクは?

佐藤:だいたい1.5リットルぐらい積んでます。

中谷:途中でドリンクの補給はできるの?

佐藤:それはできません。だから軽い脱水症状ですね、レースを終える頃には。できるだけしっかり飲んでいかなければなりませんし、だからといって3リットルも4リットルも積んでも、レース中はそんなにゴクゴク飲めないじゃないですか。だから乾かないように軽く口のなかをしめらすように飲むような感じです。

中谷:オレは3年ぐらい前に、またランボルギーニのワンメイクレースを始めたのね。で、優勝はしたんだけど、もう疲れちゃって疲れちゃって(笑)。ドリンクとクールスーツないと、あの程度のクルマでももうダメなんだよね。

佐藤:GTカーの場合は車内の温度も凄く上がるでしょうし、また違う苦しさがありますよね。

中谷:ところで今シーズンはまだまだレースが続いていくわけだよね。

佐藤:はい! インディ500が終わったあと、デトロイトのダブルヘッダーがあって、テキサスのレースがあって、それでこの場に来ているので、ずっとノンストップです。

中谷:それでまた来週末はレースだよね?

佐藤:はい、ロード・アメリカがあります。

中谷:今年は総合チャンピオンが狙える?

佐藤:厳しいとは思います、正直。でも狙いたいです。今選手権3位に着けてまして、この先ボクたちが得意とするレースもそうでないレースもあり、でもそのチャレンジは十分価値があることなので、チャンピオンシップを狙って、チームと一緒にやっていきたいです。

中谷:インディ500のウイナーっていうと、まわりの協力、メカニックなんかの動きも変わってくるんじゃない?

佐藤:そうですね、やはり全員のモチベーションがグッと上がってるし、チーム全体もですけれどとくに26号車のメンバーのモチベーションが凄く上がっています。それとチーム内での情報は完全にオープンですし、共有するんですけれど、チーム内のコンペティションもあります。そうなるとチームメイトも負けたくないとなってさらに良くなって、その情報を共有したボクたちもさらに上に上がるから、凄く良い条件と環境が整いつつありますね。

中谷:今アンドレッティだよね? 当時ボクもアンドレッティと接触していて、F1にアンドレッティから出る、なんて話もあったんだよね。

佐藤:そうなんですか?

中谷:さらに(ホンダの)八郷社長はボクの同級生だったりね。

佐藤:色々繋がってますね!

中谷:それからロジャー安川がスポッターだったんだって?

佐藤:そうです!

中谷:今年からロジャーなの?

佐藤:いや、ボクがインディにいってからなので、これで8年目なんですよ。一緒にやるの。

中谷:ニュースで見て、あっ、ロジャーなのって初めて知ったんだよね。

佐藤:たしかにスポットライトが当たるポジションではないですが、ロジャーは本当にボクの優勝を支えてくれた大切なパートナーです。

中谷:そのロジャーのお父さんは、当時三菱の仕事なんかもしてて、ボクがアメリカ行ったときに仕事で繋がったりとか、本当にどこかしら繋がっているよね。

佐藤:狭い世界ですよね(笑)。

中谷:残念ながらインタビューの終了時間なので、本当にこれからも頑張って!

佐藤:ありがとうございます! 頑張ります!!


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