使用方法は簡単だが高熱で燃えるので引火などに気を付ける
後続車に危険=停止車両の存在を知らせるツールとして、道路運送車両法でも常備が義務付けられている発煙筒。多くのクルマが、助手席の足もと付近に備え付けている。
使い方は、まずケースをひねり、本体からケースを取り外し、ケースを本体の後ろにくっつけ、白いキャップを取り外す。マッチと同じ要領で、本体の先端を白いキャップ頭部のすり薬でこすり、点火。(いまの若い人の中には、マッチで火をつけた経験がない人もいるかもしれないので、事前に覚えておこう)
発炎筒は、昼間でも約600m先から、夜間だと約2km先からでも光輝を確認することができるスグレモノ。しかし、燃焼時間は5分+αと短いので、要注意。雨の日は、着火する前に水に濡らすと使えなくなる可能性がある(着火してしまえばOK)。
発煙筒をトンネル内などで使用するのはNG。煙で視界を悪くしてしまうので、トンネル内で緊急停止してしまった場合は、非常点滅灯を使用する。着火したら地面に置いて、人は安全な場所(ガードレールの外など)に避難すること、火をつけたまま寝かせて置いても問題なし。設置場所はトラブルで動けなくなったクルマの50m以上後ろが基本。
また、発炎筒には使用期限(4年間)があるので、使用期限を過ぎる前に交換しておく。なお、発炎筒は上記の通り燃焼時間が短いので、使用期限が切れたものもバックアップとして持っておくのもひとつの手だ。
最後にもう一点。発炎筒の燃焼温度は600度以上にも達するので、事故現場にガソリンや燃料、油分が広がっていると、引火・炎上する可能性があるので気を付けてほしい。過去には、高速の継ぎ目に置いてゴムに引火した例もあるので、近くに可燃性物質がないことを確認してから設置しよう。またやけどなどの危険もあるので、手に持ったまま使用するのはおすすめできない。
当然のことながら、一度着火した発炎筒は再利用できないので、一度でも使ったら、新しいものを購入しておくことも忘れずに。最近は、LEDなどを使った発炎筒の代用品になる非常用信号灯なども販売されている。