トヨタのラトバラは総合2位、他は4位と6位に
2017年のWRCは早くも中盤戦に突入、地中海に浮かぶリゾートアイランド、サルディニアを舞台に6月8日~11日、シリーズ第7戦のラリーイタリア・サルディニアが開催された。
8日の夕刻に行われたSS1で3台のヤリスWRCを投入するトヨタ陣営はヤリ-マティ・ラトバラが11位、エサペッカ・ラッピが12位、ユホ・ハンニネンが13位と慎重な走りを披露。しかし、翌9日のデイ2より本格的なラリーが始まると、3台のヤリスはハードグラベルで抜群のパフォーマンスを見せつけるかのように好タイムを連発していた。
なかでも、最も安定した走りを披露したのが、トヨタのエースとして10号車を駆るラトバラだった。「朝のステージはルーズグラベルで路面が覆われていたので、とても滑りやすかった」と語るように、ポイントランキングに準じて3番手でスタートしたラトバラは路面の掃除役に苦戦。それでもセカンドループではSS7で2番手タイムをマークするなど持ち前のスプリント能力を発揮しており、トヨタ勢の最上位となる総合4位でデイ2をフィニッシュする。
さらにサードドライバーとして12号車を駆るラッピも「自分たちのタイムは予想以上だった」と13番手スタートの出走順を活かしてSS5、SS6、SS7でベストタイムをマーク。午前中にセカンドギアを失い、大きく出遅れたことから、総合順位では8位に終わったが、非凡な才能を見せつけた。
もちろん、セカンドドライバーとして11号車を駆るハンニネンも10番手スタートの出走順を活かしてSS3でベストタイムをマークし、一時は総合2番手に浮上。残念ながら「最後のSSのフィニッシュ近くでスピンしてフロントを壊してしまった」とのことでハンニネンはSS9でタイムをロス、総合6位に後退することとなったが、3台ともに波乱のデイ2をフィニッシュした。
翌10日のデイ3も上位陣営がパンクやマシントラブルで脱落するサバイバルラリーが展開されるなか、3台のヤリスWRCは安定した走りを披露している。「SS12で前のクルマに追いついてタイムをロスした」と言いながらもラトバラが総合2位にジャンプアップ。
さらに「思い切り攻めずにミスのない走りを心がけた」と語りながらもSS15でベストタイムをマークしたラッピも総合4位に浮上したほか、「最後のステージでスピンした際にパワーステアリングに問題が起こった」と語るハンニネンも総合5位でデイ3を走破した。
そして、最終日11日のデイ4でも「2回ミスしたけれど、チームにとってはリザルト、パフォーマンスの両面で良いラリーだった」とラトバラがポジションをキープし、総合2位入賞で表彰台を獲得。これに続いてSS5、SS6でベストタイムをマークしたラッピが「パワーステージでトップタイムを記録できたので満足している」と総合4位でゴールした。 さらに前日に引き続きステアリングのトラブルに見舞われたハンニネンも「デイ2でのミスが悔やまれるけれど自分にとってベストリザルト。とても良いラリーだった」と語るように総合6位につけるなど、トヨタ陣営は3台ともに上位入賞。
なお、気になるトップ争いは、フォード・フィエスタWRCを武器にデイ2で3位に浮上したMスポーツのオット・タナクがデイ3で首位に浮上。そのままポジションをキープして自身初のWRC総合優勝を獲得したほか、ヒュンダイのエースとしてi20クーペWRCを駆るティエリー・ヌービルがラトバラに続いて総合3位でゴールした。