“80点プラスα主義”がスーパースポーツのLCにも必要
レクサスLCを含む国産高級スポーツカーの機能と価格が海外の強豪と同等であれば、多くのユーザーは後者を選ぶ。国産を買ってもらうには、機能や性能が輸入車よりも明確に優れ価格も抑える必要がある。
そして高級スポーツカーには、初代カローラの開発理念でもあった「80点プラスα主義」が不可欠だ。ライバル車と比べたときに90点以上の優れた機能をいくつか備え、80点を下まわる粗さも目についてはならない。レクサスLCの商品力は全般的に高いが、乗り心地にはもう少し角の丸い柔軟性が欲しいところだ。価格が1300万円以上となれば要求水準も高まるからだ。開発者も「乗り心地の改善は今後の課題」と言う。
また後席は2名乗車時に手荷物を置くスペースだが、同じ室内空間に変わりはない。後席のモールが省かれるなど質感の部分で気になる。細部は今後熟成するのだろう。
海外の有力ブランドは、スポーツカーを含めて、デザインから運転感覚まで個性を確立させてブランドイメージも定着している。いわばクルマ作りの縄張りが出来上がり、後発のレクサスはそこを避けて特徴を打ち出さねばならない。
■コクピット比較
運転席まわりは豪華なうえにエレガンスが漂い、高水準なスポーツカーとしては走りへの期待や高揚感が得られるような造形が必須となる。
運転席はスイッチやメーター類がドライバーを包み込むように配置され、運転に関わるすべての操作が自然に行えるのが理想と言える。紳士たる者、車内ではつねに落ち着いてクルマが持つ性能をスムースに引き出し、悠然とドライブしたいものだ。また、クーペとはいえども、同乗者が心地いいと感じられる空間造りがなされているかも見逃せない。
コクピットライバル分析① vs BMW6シリーズ
ドライバーオリエンテッドに仕立てられたコックピットは、どんな状況でもすべて機能を的確にコントロールできる
コクピットライバル分析② vs アウディR8
アウディ バーチャル コックピットによってさまざまな情報を表示。上級な素材を用いた車内はじつに豪華だ。
コクピットライバル分析③ vs マセラティ グラントゥーリズモ
レーシングカーからインスパイアされた造形や操作感にこだわった素材により、卓越した走りを思う存分堪能できる。
コクピットライバル分析④ vs アストンマーティン ヴァンキッシュ
インテリアのカラーはさまざまなパターンから選択でき、自分流のアレンジが可能。もちろん高級な素材を使用。