多岐にわたる魅力を盛り込んで海外の強豪に挑む
以前のレクサス製スポーツカーは控え目で上品な雰囲気を特徴とした。存在感が希薄に感じられたが、今はスポーツ性を分かりやすく表現している。
ステアリングのギヤ比を可変式にして後輪操舵も備えたLDHは、RC350Fスポーツでは操舵感が過敏で不自然さを伴うが、LC・Sパッケージではプラットフォームの刷新と相まって違和感が抑えられた。後輪が横滑りを生じたときに後輪操舵を少し意識するものの、ボディサイズのわりに機敏に曲がって安定性も高い。
この切れのよさがレクサスLCの走りの特徴だ。直進安定性は欧州ライバル勢にやや譲るが、軽快にカーブを曲がる楽しさがある。北米で好まれる低中速域の機敏さと、先進のハイブリッドによる低燃費に、ややアクの強い外観を組み合わせた。レクサスLCは多岐にわたる魅力を盛り込んで海外の強豪に挑んでいる。そこが個性であり優位性なのだ。