見た目は確実に男らしく! 室内収納の大幅進化にも注目
新型ダイハツ ミラ イースの発表会に出席して驚いた! 「80kgの車重軽減」そしてなんと「燃費は先代と変わらず」というのだ。
ハイブリッド、そして電気自動車(EV)など、電動化をせず、従来の内燃機関のままで効率を追求して登場した軽自動車、初代ダイハツ ミラ イース。当然コストも押さえられるし、使い勝手も今までのエンジン車と変わらず。第3のエコカーと呼ばれてその燃費の数字で話題となったクルマだ。
つまり存在意義は究極の燃費の追求にあると言わんばかりのミラ イースなのだが、2代目にして、あっさりそれを捨てるような登場を仕方をした。だから驚いたのだ。
実際、私個人的にはわずかなモード燃費数字の追求はあまり意味がないと思っている。大きな自動車の進化のなかで、世の中のクルマ全体の燃費数値が上がっていくことは大切だが、単に販売現場で「売り文句」になりそうな、「軽自動車ナンバー1の燃費です」というようなモノは、少なくともエンドユーザー側にあまりメリットはないということだ。
実際新型ミラ イースは80kgも軽量化したのだから、そこを追求すれば燃費の向上も容易だっただろう。でもあえて、走りの向上にその80kg分を使ったというのだから、その時点で心意気を賞賛していた。そんな新型ミラ イースに試乗できたので、どんなクルマであったのかお届けしたい。
パッと見は、ずいぶん男らしくなった。好き嫌いはともかく、カッコイイ路線を選んだのだろうと思える。
とくに、標準装備だというリヤコンビまわりのエアロパーツはカーボン調! ベーシック軽でここまでやるか、というより、女性ユーザーにも受け入れられるのか? と若干心配してしまう。私は男性なので、そのあたりはわからないが、答えは今後の市場の反応を見るしかないだろう。
インテリアは確実によくなった。とくにフロント部の収納系は、ユーザーの使いやすさが追求されている。助手席前のトレー、左右吹き出し口部分のドリンクホルダーなど、他車種でも「実用的で便利」と感じたことのある装備が充実している。
このあたりは、これまでトール系軽自動車などで追求されてきた部分で、簡素で安さがウリ、というようなベーシック系軽自動車では、そのノウハウが投入されてこなかったイメージがある。だが、ユーザビリティを高めるのにあえて簡素にする必要もない。ここも新型ミラ イースに対するダイハツの姿勢は好印象だ。
ではイザ試乗へ。試乗場所はストップ&ゴーの多い市街地、そして流れの速い直線道路、ワインディングとまではいかないがいくつかのコーナーがある道を選択した。コンフォート性は悪くない。公道は意外に表面に凹凸があり、街乗りレベルでも結構な上下動があるものだが、新型ミラ イースに不快感はない。ベーシック軽でいえば十分に合格点だろう。
ボディの小ささ、見切りも問題なし。歩行者の多い市街地を走行したが、上体を大きく動かして目視しないと右左折などで不安を覚えるようなこともなかった。
ただ、アイドリングストップに関しては小まめなオンオフをオススメする。停車前11km/hで作動するということで、燃費には効くだろうが、停止線で止まったあとジワジワ進んで左右を確認するような交差点や、歩道を横断しての駐車場の出入庫など、ストレスを感じる場合もある。スイッチは運転席右側の見えやすく押しやすい場所にあるので、問題ないと思う。