軽量化の効果か街乗りでの加速に満足! 右折時の安心感がある
続いて流れの速い幹線道路へ。自然吸気(NA)660ccとしてはこちらも納得のパワー&トルク。普通に加速し、流れに乗って走るなら十分だし、エンジンやCVTが唸りまくることもない。
そしてこれはいい、と思ったのが、0-60km/hの間のちょっと頑張りたいときの加速だ。試乗中何度かあったのだが、例えば対向直進車の切れ目で右折するときや、同じく対向直進車の切れ目でのUターンなどのシーン。もちろん十分余裕をもって曲がるのだが、右折を始めたタイミングで対向直進車が加速をしたり、場合によっては自分のスタートがわずか遅れた、と思うこともあるだろう。そんなとき、グイッとクルマが加速してくれれば、直進車も自分も安心感が高い。
ミラ イースはその点で思ったとおりの加速を示してくれた。実際、軽自動車以外も含めて踏んでも加速までにタイムラグがあったり、エンジンは反応していても狙ったとおりの加速してくれないクルマも存在する。80kgという大幅ダイエットも効いているのだろうし、新型ミラ イースは、エンジン自体、CVTとの協調もよくできていると思えた。
そんな満足度を憶えながらコーナーの多い道へと差しかかる。切り出しの瞬間は俊敏とは言わないがさほど鈍くなく頭が動き出す。ただしその後はロールも大きいし、コーナリング中に切り増しても反応は今ひとつで、切り出しから深く切り込むまでの車体の動きに一貫性が足りなかった。
なんて言うと「ベーシック軽だからそんなこと求めるな」なんて声が聞こえてきそうだが、どんなクルマも同じ道を走るのだから、動きが良いほうが乗っていて安心だ。私は本気でスタビライザーの装着を望みたい。
試乗後に開発者と話をする機会をもらったが、スタビライザーの重さ、コストとの兼ね合いで断念した、とのことだ。開発時にはまず発売コストが決まり、そこから何をどこまで追求していくかをせめぎ合いながら作り上げるのだという。ミラ イースのようなクルマはビジネスユースも多いので、とくにそのあたりがシビアなのだろう。
それでも開発側はスタビライザーに関して、「このレベルには要らない」ではなく「採用たほうがいいけれどできなかった。その中で目一杯頑張った」という姿勢なので、ちょっと感動してしまった。今後のダイハツ車への期待は自ずと高まってしまう。
もうひとつ、コーナリング中に大きめの段差を乗り越えるような場所があったのだが、やはり吸収しきれずガツン! と音も含めて結構な衝撃を感じた。これも足まわりにコストを掛ければ対処できることだろうし、このクラスでどこまでできるのか、やるのか、という内容だが、事実としてお伝えしておきたい。
ちなみに今回は乗った2車種とも14インチだったが、「こういった部分に関しては13インチのほうがいい」という開発側の声も聞かれた。私自身は乗っていないので、何もお伝えできないが、購入予定者は、可能なら比較試乗することをオススメしたい。