メーカー選手権のヒーローたち【アルファ・ロメオ Tipo33・前編】 (3/3ページ)

V8を4バルブの3リッターに進化させ総合でポルシェに肉薄

 さて、68年からグループ6=スポーツプロトタイプの排気量が3リッター以下に制限され、これに合わせてポルシェが3リッターの908を投入。2リッター(時折2.5リッターもトライ)のままでクラスウインは数知れないものの、総合結果では苦戦を余儀なくされたアルファ・ロメオだったが、69年には3リッターV型8気筒エンジンを開発してTipo33に搭載、ようやくポルシェと同じ土俵に立つことになった。

アルファ・ロメオ Tipo33

 これがTipo 33/3。フレームは33/2のチューブラー・フレームからアルミモノコックに代わりエンジンをストレスマウント(エンジンをシャーシの一部として考え直接モノコックにマウントするもの)するスタイルとなった。3リッターの4カムV型8気筒エンジンは、2リッター仕様と同じく90度のバンク角を持っていたが、気筒辺り2バルブから4バルブに進化。400馬力(公称)の出力を得ていた。アルファ・ロメオ Tipo33

 数字の上ではライバルと互角(以上)のパフォーマンスを得ていたTipo 33/3は、しかしデビューイヤーはトラブルに付きまとわれ結果を残せないでいた。だが、デビュー2年目となった70年には信頼性も高まってきて速さが結果に結びつくようになり、セブリングで3位、最終戦のエステルライヒリンクで2位に食い込んでいる。そして翌71年にはブランズハッチ、タルガフローリオ、最終戦のワトキンスグレンと3勝を挙げ、他にも2位2回、3位3回と安定した強さを見せ、ポルシェに次ぐシリーズ2位の座に就いている。アルファ・ロメオ Tipo33

 もちろん、これでアウトデルタが満足する訳もなく、次なるウェポンとなる12気筒エンジンを投入してくるのだが、それはまたの機会に。

 深紅のボディにボンネットをグリーンに塗った#39号車は68年式のTipo 33/2“DaytonaCoupe”。クーペとは言うもののルーフトップは取り払われている。2015年2月のレトロモビルにて撮影。

 ノーズを白く塗った#26号車は70年式のTipo 33/3でテールの長いル・マン仕様。今年4月にミラノのアルファ・ロメオ歴史博物館にて撮影。テールのバーチカルフィンの形状が#39号車同様に、可愛い印象があった。ノーズを黄色に塗った#5号車は71年式のTipo 33/TT3(TTはTeleio Tubolareの略で、イタリア語でチューブラフレームの意)。同時代のマシン、例えばポルシェ908/3に比べてもコンサバでコンパクトに映る。#39号車と同様、15年のレトロモビルで撮影。アルファ・ロメオ Tipo33


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