【意外と知らない】クルマ好きの言う「スロコン」って何? (2/2ページ)

アクセル操作に対するスロットルの特性を変化させる電子パーツ

 スロコンとは、DBWのこうしたアクセルワークに対するスロットルのレスポンスの悪さを解消するための電子パーツだ。多くのスロコンは、ハイレスポンスなスポーツモードやノーマルモード、ノーマルよりレスポンスは鈍くなるが、その分燃費が良くなるエコモード、オートモードなど、レスポンスを何段階かに切り替えられるようになっている。

 これにより、DBWのレスポンスをよくすることで、「出だしが悪い」「途中から急に加速する」「クルマが重たい」「アクセルの戻りが悪い」「ヒール&トゥが素早く決まらない」といった不満が解消できるのが、最大のセールスポイント。

 またオートクルーズの機能などがついたスロコンもあり、取り付けはカプラーオンでOKというものも多い。ただし、スロコンはスロットルバルブの開閉レスポンスを調整するパーツなので、加速フィーリングなどは体感できるほど変わるが、絶対的なパワーそのものは基本的に変わらない。

 もっともエンジンは同じ回転数でも、アクセル開度によってトルクは違う。たとえば同じ4000回転でも、ハーフスロットルのときとフルスロットルのときでは、トルクはフルスロットルのほうがかなり大きい。

 そういう意味では、スロットルレスポンスが増すと、ピークパワーは同じでもパンチ力やドライバビリティはかなりプラスになることが期待できる。

 自動車メーカーサイドから見ると、燃費などの環境性能の向上、機械的なパーツ点数を減らせ、コスト削減、クルーズコントロール、トラクションコントロールなどの制御がラク、主にAT車の変速ショックを減らしたり、(アクセル操作に対して)滑らかな加減速を作り出しやすいなどのメリットがあるDBW。

 わざわざ社外品のスロコンをつけなくても、そうした切り替え機能ぐらいは標準化しておいてほしいところだ(スバルのSI-DRIVEなどは、それに近い機能を備えたクルマもある)。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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