明確な定義はないが標準仕様に対して膨らんでいるものを指す
スポーツカーの定番装備のひとつがブリスターフェンダー。最近ではスポーツカー自体が減っているので昔ほどは使われないが、一部のクルマには採用されている。フェンダーの意味はわかるとして、ブリスターという単語の意味はなにかというと、「ふくれ」や「水疱」「あぶく」などだ。つまり「膨らんだフェンダー」がブリスターフェンダーで、ワイドなイメージを演出することができるため、だからスポーツカーと相性がいいわけだ。
ちなみに食品などで、ブリスターパックというのがあるが、箱に入れなしの袋に入れた状態のこと。つまり中身で膨らんでいるままなことからそう呼ばれている。
いずれにしてもポイントは膨らんでいるということ。だからフェンダーを後付けしてワイド化しているのはブリスターフェンダーとは言わず、オーバーフェンダーとなる。
またただ大きくもっこりとしただけのフェンダーは、明確な基準はないものの、ブリスターフェンダーとは言わず、ただボリュームがあるフェンダーとか、ワイドフェンダーとなる。
さらにブリスターフェンダーの明確な基準がある。それが、ベースがあるということ。最初から膨らんでいると、どれだけ膨らんでいるのか基準はないわけで、デザイナーの意図としては「ブリスター」していないのかもしれない。つまり、膨らんでいないフェンダーがあってこそのブリスターフェンダーがあると言っていい。
たとえば、第2世代の日産スカイラインGT-Rたちは、ブリスターフェンダーを採用しているが、それはワイドでないノーマルボディのスカイラインに対して膨らんでいるのだ。また古くは三菱のスタリオンが途中でブリスターフェンダー化されているのだが、それまでのナローボディに対しての話となる。
そういう基準からすると、ベースグレードのない専用ボディで最初から膨らんでいるのは、「ワイドフェンダー」や「ブリスター状の張り出しをもったフェンダー」と呼ぶのが正しいことになるが、実際はそこまで厳密に区分しなくもいい気はする。
実際でも、極端にあえて張り出しているものはブリスターフェンダーと呼んでもかまわないだろう。いずれにしても、見る者をワクワクさせる形状であるのは確かだし、張り出しを見てオッと思ったらそれはブリスターフェンダーと呼んでかまわないのではないだろうか。