【試乗】プジョー3008はFFでもオフロードまでこなせるマルチSUV (2/3ページ)

足まわりは秀逸だがやはりディーゼルがほしい

 走り始めて感じるのは、これまたプジョーらしいダンピングが穏やかで動きのスムースなショックアブソーバーの秀逸さだ。「ネコ足」と言われて久しいが、今回のモデルでもしっかり引継がれていて快適さとロードホールディングを両立している。

プジョー3008

 残念に感じたのはパワーユニットだ。直噴ガソリンターボエンジンはアクセルの踏み込みに対してリニアにレスポンスしない。ブーストのタイムラグ感が大きく、キビキビを走れないのだ。トルコンATなのに動きがギクシャクしスムースな過減速コントロールがし辛い。これはやはりで低速トルクの大きなディーゼルのほうが……と思わざるを得ないエンジン特性だった。

プジョー3008
前輪2輪駆動だが、最低地上高を175ミリと大きめに設定し、悪路走破性を高めたというのもセールスポイントとして紹介された。試乗会場内に特設のオフロードコースが設定され、その走破性の一端を垣間みることができた。

プジョー3008

 コクピットのセンターコンソールにダイヤル状の走行モードスイッチが配され、5つの走行モードが選択できる。アドバンスドグリップコントロールと呼ばれ、通常4WDのオフロードモデルに設定されるような本格的な電子制御システムだ。

プジョー3008

 目新しいのはぬかるみ用の「マッドモード」や砂地脱出用の「サンドモード」などで、片側ブレーキやLSD効果などを使いわけて悪路走破性を高めようとしている。

プジョー3008

 ヒルディセントやトラクションコントロールと合わせ、登りも下りも高い走行性を発揮させる。もちろんタイヤが専用でなければ雪道や悪路を安心・安全に走ることはできないし、スイッチモードは車速が高まると解除されるので、あくまで緊急時用と考えるべき装備。

プジョー3008
3008には今後PHVが追加されるという情報もあり、そのためかFFなのにリヤ荷室床は高く、容量もあまり大きくなかった。

プジョー3008

 一方、後席は足もとが広く快適。前後ドアはサイドシルを覆うように大きく開閉し、悪路を走ってもサイドシルが汚れないので乗り降りに足もとが汚れないなど気配りも見られる。

プジョー3008

 PHVがディーゼルと組み合わされ4WDシステムとなっていたら改めて購入意欲が高まるかもしれない。

プジョー3008


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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海外巡り
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クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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