トヨタの底力をみせⅢ型からは別ものの走りへと進化
しかし、そこで終わらなかったのがトヨタの偉いところ。1991年にⅡ型へマイナーチェンジを行い、サスペンションの構成部品とレイアウトを変更。15インチタイヤを履いて、ブレーキも容量アップ。ビスカスLSDやビルシュタインのダンパーも用意。これで、まともなスポーツカーに。
さらに1993年のマイナーチェンジで、Ⅲ型は、ジオメトリーの見直しとストラットタワー部などボディの取り付け剛性などもアップ。エンジンも20馬力の出力向上を果たして245馬力に(ターボ)。スポーツABSもこのⅢ型から採用された。
1996年(Ⅳ型)、1997年(Ⅴ型)で、さらに一部改良も加えられている。また、1995年にMR2誕生10周年記念特別仕様車や、1996年にTRDからフルオープンの「MRスパイダー」なども登場していた。
というわけで、SW20は、初期型とⅢ型以降は、別のクルマといっていいほど仕上がり具合に差がある。モータースポーツでは、長年にわたり、ジムカーナではクラス最強のマシンとして君臨。JGTCや、ルマン24時間にもサードMC8Rとして参戦している。またチューニングカーの世界では、ミッドシップレイアウトを活かして、4WDにも勝てるゼロヨンマシンとして人気があった。
未完成形(?)として登場したために、第一印象はよくないクルマだったかもしれないが、熟成に熟成を重ねたSW20、最後はポテンシャルの高いスポーツカーとして名車の仲間入りをしたといってもいいだろう。