タイヤとホイールを組む職人の腕でも差が出る
もうひとつは、タイヤの真円度の問題。タイヤ・ホイールに異常がなくても、タイヤにもホイールにも製造過程で公差が出るので、そのまま組んだだけでは、回転したときトレッドの表面が波を打つことがかなりある(縦ブレ)。
これをタイヤとホイールの相性を見極め、お互いのブレを打ち消すような適正な位置に組み合わせ、限りなく真円に近い回転を実現するのが、タイヤ職人の腕の見せ所。工賃の安さ、タイヤの値段だけで、ショップを選ぶと、いい回転は得られないので、ショップ選びが非常に重要。
真円度が低いタイヤは、回転中タイヤがスキップするので、振動が出るだけでなくグリップも悪くなる。当然燃費にも悪影響。
また純正以外のホイールの場合、装着時にホイールのセンターが出ていないのも原因として考えられる。純正以外のホイールは適応車種を増やすため、ホイールの内径=ハブ径が、車体側のハブセンターの直径より大きい場合がほとんどなので、ここに遊びがあるためセンターが出ない。理想はハブリングなどを装着して、ハブとハブ径の一致させること。
意外なことに、組み付け時にホイールに貼りつけるウエイト=ホイールバランスの影響は意外に小さい。30~40gぐらいの違いは体感できないことが多い。それよりも、上記の理由や、ストップ&ゴーの繰り返しによりリムずれが起きて、タイヤの真円度が低下している可能性が大。
いずれにせよ、ノウハウのあるタイヤ職人のいるお店で、しっかり点検してもらうのが肝要だ。
一方同じ振動でも、ある速度域で車体全体が揺れる場合はホイールアライメントの問題。
ハンドリング関係のメンテは、まずタイヤとホイールの点検から。それでも解決しなければ、アライメント、ダンパー、ブッシュなどを疑ってみる。この手順を間違えると、時間とお金=コストが三倍になるので要注意。