ワインディングも走行して燃費は14.5km/Lを達成
その後はAUTO eDRIVEやSAVE eDRIVEに切り替えつつ、高速道路を降りMontseny山脈に入る。日本のワインディングロードのように道幅はタイトで急勾配、急カーブが続く。エンジンはスタート&ストップを繰り返す。ディスプレイでは前輪駆動、後輪駆動、4WDと猫の目のように、めまぐるしく走行モードが切り替わっているのがわかる。
サスペンションは増した車重のためディーゼルモデルより締め上げられているようだが、ガチガチの足ではなく、ワインディングでは小気味よく走れる。バッテリーを後席下におさめ、電気モーターをリヤアクスルに搭載しているせいか、リヤの動きがどっしりしているように感じた。
また、MINIクーパーS E クロスオーバー ALL4は通常のミニシリーズと同様、ドライビングモードが備わる。「グリーン」「ミッド」「スポーツ」の3つで、アクセルレスポンスやステアリングレスポンス、シフトタイミングを変化させている。ちなみにスポーツモードでは一気に50%回生させるなど、回生の制御も変更されている。余談だが、前述のSAVE eDRIVEモードでは徐々に100%まで回生させているという。
居住空間は前述のとおりリヤシート下にバッテリーを収める関係上、ほんの数mm嵩があがっているという。だが実際に座ってみるとほとんどわからなかった。ラゲッジは大人3人分の荷物(数日分だったので、結構な量だった)をすべて入れることはできなかったが、リヤシートを片側倒せば問題ない。
参考値として、復路で燃費をチェックした。バッテリー残量69%でスタートし、約150km走行して6.4L/100km、約14.5km/Lだった。ワインディング6割でそこそこのペースで走行した。eDRIVEモードは3モードすべてを使っている。
MINIクーパーS E クロスオーバー ALL4は、ひとつのボディに2つのパワートレインが同居した、いわば「2世帯住宅」カー。BMW iシリーズで知見を積んだことが功奏したようで、ガソリンエンジンとモーターの仲は嫁姑のようないざこざもなく? 非常によろしい。アイのおかげでうまくいったということか……? 日本での注文はすでに受け付けており、納車開始は6月とのことだ。