全速度域で素直な挙動! 走ることが楽しくなるミシュラン「PS4S」の魅力 (2/2ページ)

  

タイヤにかける熱い想いが優れた1本を作り上げることを実感

 さて、このように、PS4Sの実力の一部は確認することができたのだが、残念なのはウエットのテストができなかったことだ。19、20インチの設定のみというPS4Sが装着を想定するモデルの多くはスーパースポーツであり、冒頭にも述べたように、今ドキのスーパースポーツはシーンを選ばず乗ることができる、もしくは乗ろうと思わせる容易さを持っている。

 そしてPS4Sのウリのひとつは、トレッド面のアウトサイド側とインサイド側でコンパウンドを変える、「バイ・コンパウンド・テクノロジー」の採用などによるウエット性能の高さだ。少なくとも現状100km/hまでしか出せない日本の公道走行においては、とくにウエット性能が重要と考えるユーザーは多いだろう。機会があればぜひとも試してみたい項目である。

 ところで今回のミシュランPassion Days、目玉であるPS4Sの試乗だけではなく、他のプログラムも用意されていた。レース用マシンである、マクラーレン650SGT3の同乗走行、ルノー クリオ(日本名ルーテシア)カップカーとFIA F4マシンの走行である。

 私自身何度もサーキットは走ってきたが、さすがにスリックを履くフォーミュラのステアリングを握るのは初の経験。それでも簡単なレクチャーを受けたのみで、F1も走行するコース(ショートカットを入れた一部区間)を思いっきり走らせてくれるのだ。


もちろんこのプログラムはレース用のスリックタイヤの評価をする、という意味ではない。あくまでミシュランのメッセージだ。ミシュランのタイヤ作りは、クルマもレギュレーションも異なるさまざまなモータースポーツシーンからフィードバックを受けて行っているということ。さらにはイベント名どおり、ミシュランというブランド、そして製品であるタイヤにはそれだけの「パッション=情熱」が詰まっているという意味なのだ。


クルマと違って、一般のオーナーはタイヤを比較試乗してから買う、というわけにはなかなかいかない。もちろん、Webや雑誌の自動車専門媒体の情報も参考にしていただけると思うが、それと共にブランドイメージもタイヤ選びの決めてのひとつになるだろう。それはより生活に身近な、家電やAV機器などを想像すれば、誰しもがわかるとおりだ。


そういった意味では、環境性能にも配慮した次世代モータースポーツである、電気自動車レースのフォーミュラEに、ミシュランは単独でタイヤを供給。さらに日本でもGT500で、2011、2012、2014、2015とチャンピオンマシンのタイヤはミシュラン、といった話を聞けば、そのブランド価値は理解できるだろう。

「クルマを替えずに走りを変える」というキャッチを用いているミシュラン。まだミシュランタイヤを履いたことのないオーナーは、タイヤ交換の際、ぜひ検討してみてほしい。


石田貴臣 ISHIDA TAKAOMI

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読書(ミステリーが主)、TVでのサッカー観戦(バルサ/PSG/アルゼンチン代表/UCL全般)、映画鑑賞
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