HVやEVは回生と油圧ブレーキの協調が難しくシステム上カックンブレーキになりがち
ハイブリッドカーや電気自動車もカックンブレーキになるモデルがあります。その原因は協調ブレーキにあります。そういった電動パワーユニットのクルマでは、ブレーキは油圧ブレーキと回生の2種類があります。ブレーキングすると、油圧ブレーキと回生がバランスを取りながら、ドライバーが期待する減速Gを作ります。問題は停止する時です。
回生というのはモーターを逆の使い方をするシステムで、電力を入れて力を出力するのではなく、力を入れて電力を出力します。もしこれを停止した後も回生させていると逆回転しようとします。つまりクルマがバックしてしまうのです。それは困るので、停止する前に回生をオフにします。
そして、その代わりに油圧ブレーキを強くして、バランスを取るわけです。しかし回生と油圧ブレーキを完璧に合わせることは、とても難しいのです。そのため安全性を維持するために、油圧ブレーキを強めに入れる制御にします。そうなると停止するときにブレーキが強くなり、カックンブレーキに自動的になってしまうわけです。この場合のカックンブレーキはシステム上の特性なので、ドライバーが何とか対処できるわけではありません。
ドライビングテクニックのなかでもっとも難しいのがブレーキングです。だからこそ、ブレーキはコントロール性が高い必要があります。そして上手くブレーキングできたときは、とても気分のいいものです。そのためにも、質の高いブレーキを強く望みたいと思います。