ルーフレール非装着なら立体駐車場への入庫も可能
●ディメンション
新型XVは、毎日の生活での使いやすさとSUVならではの高い走破性を絶妙にバランスさせた持ち味をキープしつつ、パッケージングや走行性能を大きく進化。インプレッサからスタートした新型プラットフォーム、SGP(スバルグローバルプラットフォーム)で盛り込まれた新機軸のなかには、インプレッサよりXVでメリットを発揮する部分もあるという。
ボディサイズは、全高は先代モデルと同じ1550mmと立体駐車場も考慮。ルーフレール装着車は1595mm。またディーラーオプションのシャークフィンアンテナ付きは1575mmとなる。全幅は1800mmで先代比+20mm、全長は4465mmで同+15mm拡大、ホイールベースは2670mmで30mm延長し、室内幅やリヤシートでの前後スペース拡大に使っている。
最低地上高は、先代と同じ200mm。これはアウトバックと変わらない。最低地上高220mmのフォレスターと比較した場合、アプローチアングルは、フォレスターの前後は25度と26度、XVは18度と30度で、リヤオーバーハングが短い分、大きな角度になっている。
タイヤは先代の225/55R17が225/60R17となったので、直径が680mmから702mmへと22mm拡大。不整地や起伏のある路面での走破性をさらに高めている。
●サスペンション
高い車高のSUVに仕立てるために、タイヤを大径にしたほか、ボディのアンダーフロアにあるサスペンションのクロスメンバーの取り付け部にスペーサーを追加。また、サスペンションのトランスバースリンク(ロワアームとも呼ばれる)にも筒型のスペーサーを入れて専用ブラケットで固定してある。
リヤはサブフレーム取り付け部にアルミ製スペーサーを挟んでいる。この手法自体は珍しいものではないが、新型XVでは、インプレッサとは異なる専用チューニングが施されて、SUVとは思えない走りを実現している。
フロントでは、ストラット、スプリング、ナックルハウジング、ロワアーム、スタビライザーが変更され、トレッドの15mm拡大や、ロールセンターの最適化も行なっている。
先代XVでは、前側のロールセンターが上がり過ぎとなっていて、コーナリングのロールが尻下がり気味になっていたのを、新型ではフロントロールセンターを補正して、自然なフィーリングを得られるようになった。
具体的には、トランスバースリンクの取付け角度の最適化として、クロスメンバー側の取付け位置を下げることでリンク回転中心を下げている(クロスメンバーを共用するインプレッサについては、そのまま流用するとロールセンターが下がり過ぎてしまうため、ハウジング側のボールジョイント構造を変更することで、どちらにも最適なロールセンターが実現できている)。
ストラットは高車高に対応した寸法として、スプリングはXVのタイヤ特性に合わせてインプレッサよりソフトで減衰力もそれに合わせて変更。スタビライザーはインプレッサより2mm太くして、ロール剛性を向上。ハウジングはインプレッサのアルミ製に対して、鉄製として剛性を高めている。
また、ステアリングは大径タイヤのXV専用ジオメトリー化で最大切れ角を減らしているが、ギヤ比自体はインプレッサと同じ13.0:1とクイックなものとしている。
リヤサスペンションでは、ショックアブソーバーやスプリングのソフト化や寸法および形状変更、スタビライザーの大径化、ハウジングの変更が行なわれた。
インプレッサ比20mmのトレッド拡大では、車軸が取り付くハウジングのアームおよびリンクの取り付け位置を延長して対応。ショックアブソーバーの曲げ力を減らして動きをよくするために、スプリングの荷重軸コントロールとショックアブソーバー下側のブッシュをXV専用品にしている。