初代スカイラインGT-Rやロードスターはベビーブーム世代の免許取得時期に登場
ちなみに、日産スカイラインに最初のGT-Rが生まれたのは1969年1月。高価なモデルゆえにダイレクトに若者向けというわけではないが、あこがれを喚起するには十分以上のインパクトがあった。
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その後、二度のオイルショックによりクルマを所有することへのハードルは上がったように見えるが、1975年に訪れた「スーパーカー・ブーム」により、スポーツカーへのあこがれを持つ子供たちが増えたことは大きな種となった。
こうして第二次ベビーブーマーより少し上の世代にクルマ(スーパーカー、スポーツカー)へあこがれを持つ集団が生まれたこと、第二次ベビーブーマーが20歳に近づくタイミングでのバブル景気が到来したことで、1980~1990年代の自動車ムーブメントが若者をターゲットにする流れになるのは自然なことだった。この頃、第二期スカイラインGT-Rやユーノス・ロードスターが生まれたのは、至極当然だったのである。
大きなトレンドでいえば、日本に自動車市場において1960~1990年代までは若者向け商品が主役であり、宣伝のメインターゲットでもあった。だからこそ若者はクルマを欲したという見方ができよう。
卵が先か鶏が先か、いずれにせよ「昔はクルマ好きが多かった」というのは、自動車産業にとって若者が大きな市場だったからこそ、といえるだろう。