メーカー自らがピュアスポーツカーと言い切った1台
2代目「サバンナ」RX-7=型式FC3Sは、1985年10月にデビュー。初代のRX-7=SA22Cは、47万1009台も生産され、オイルショックで苦しんでいたマツダの経営面に大きく貢献。大ヒットした原因は、一言でいえば「安価な本格的スポーツカー」だったということだ。
パワフルな12Aロータリーエンジンに、ロータリーエンジン専用のシャーシ、50.7:49.3の理想的な前後重量バランスで、とにかくシャープな切れ味のハンドリングが売り物だった。
これはある意味意図的に作られた特性で、マツダは、スポーツカー=操縦性>安定性という考えでRX-7を設計していた。この特徴は、2代目=FC3Sにもそのまま継承。
ここが肝心なところだが、じつは自動車メーカー自らが、「ピュアスポーツカー」と言い切るクルマはほとんどない。世間でスポーツカーと言われているクルマも、メーカーサイドからすれば、大半はスポーティカー、もしくはGTカーというジャンルに分類されている。
メーカー公認のピュアスポーツカー=RX-7は、「本気」と書いて「マジ」と読ませる数少ない生粋のスポーツカーだといえる。その本気度が一番わかるのは、ホイールベースの短さ。
FC3Sは、「プアマンズポルシェ」と呼ばれたSA22Cのイメージを払拭すべく、車格と車体価格(SAは新車で150万円、FCは250万円)をワンランクアップしているにもかかわらず、申し訳程度についているリヤシートにすることで、ホイールベースは2430mmと、SAとほとんど変わらない(+10mm)のショートホイールベースを採用している。