【ニッポンの名車】走りに優れ女性ウケも抜群だった日産S13型シルビア (2/2ページ)

オーテックから受注生産のオープンモデルも登場

 素姓もよく、FRならではの操縦性の良さを感じられるハンドリングで、新車価格がNAのJ’s(ジェイズ)なら150万円台から。ターボのK’s(ケーズ)でも203万円(MC後・MT)という設定もうれしかった。

 1988年に、オーテックジャパンからK’sベースのコンバーチブルが登場(受注生産)。1991年にマイナーチェンジを行い、エンジンが1.8リッターのCA18系から、2リッターのSR20系にアップデート。ターボでは30馬力アップの205馬力に動力性能を向上した。

 1993年10月に、フルモデルチェンジを受けてS14になるが、スタイリングの魅力を一気に失い、むしろS13の評価と人気が高まることに。

 今考えると、けっこう優秀なリヤのマルチリンクサスに対し、キャパもストロークも不足気味のフロントストラットの組み合わせで、ちょっとアンバランスでスイートスポットの狭いクルマだったかもしれないが、ボディがきれいで、パワフルなターボで、価格もお買い得で、FR。おまけに当時はデートカーなどと呼ばれ、女の子にも評判がよかったりして、これだけ揃えば、クルマ好きだって増えて当然!?

 R32系スカイラインの1年前のデビューだったが、新しい日産を予感させるのに十分な内容を持ったクルマだった。

 歴史的に見ても、1988年のこのS13シルビアと、1989年のR32スカイライン、そして1990年のP10プリメーラの3台は、日産の黄金期を象徴するクルマだったと断言できる。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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