昔の塗装と違って現代のクルマはやってデメリットはない
今ではすっかり当たり前になった、新車時のコーティング。ディーラーでもオプションとして用意しているので利用しやすく、値引きのひとつとしてサービスでかけてくれたりする。もちろん自分でコーティング専門店に持ち込んで、徹底的に仕上げてもらうのもいい。ちなみにディーラーでコーティングを扱っているのは、収益率が高いのと、被膜メンテナンスのための再入庫(長期間保持タイプは効果を保証書に明記してある)を期待してのこと。また新車なので本格的な磨きを必要とせず、ディーラーマンでもワックス感覚でかけられるのも背景にある。
しかし、ここで気になることがある。新車の塗装はまだ完全に硬化していないので、ワックスなどはかけてはダメ。納車から1カ月は待つべし、というウンチクというか、知識。年輩の方ならご存じだろう。硬化していないのにワックスなどを掛けたら、逆に塗装を痛めたりするというのが理由で、聞けば一利はある。
実際のところはどうかというと、確かに完全硬化までに時間がかかるというのは昔の塗装ではあった。といってもかなり昔で、ラッカーやエナメル系の塗料を使っていた時代の話しだ。もちろんすぐに硬化するので使用や走行には問題ないが、完全硬化までにさらに時間が掛かっていたのは事実。
そこにワックスなどを塗ると、乾ききっていない塗装を痛めることはあり得た。そもそも傷んだという話も聞いたことはないが、こういったウンチクを守るのもクルマ好きの証だった。
そして現在はというと、溶剤は最小限で化学反応によって一気に硬化させるので、自然乾燥で完全硬化を待つということもなくなった。それよりも、酸性雨や黄砂に付着した化学物質、鳥の糞など、塗装を痛めるさまざまな要因からいち早く守ってやるほが先決。
だから新車を買ったらコーティングというのはいいことだ。もちろん自分でワックスやコーティング剤をかけるのでもいい。