【試乗】レクサスLC500&500hは欧州プレミアム車と真っ向勝負できる実力の持ち主! (2/3ページ)

まだ熟成できるポイントは見えるもポテンシャルは高い

 どちらも静粛性のレベルは高く、マルチステージハイブリッドはもちろんだが、V8の回転域によって「静」と「官能」を分けた演出も面白い。マークレビンソンリファレンスサウンドシステムは音量を上げなくても、その音の良さを実感できる環境である。

 フットワークは、全面刷新されたGA-Lプラットフォームと前後サスペンションにより、大幅にレベルアップ。ボディはシッカリ、ステアフィールはスッキリ、足の動きはしっとりと言った印象を受けたが、それらが「どうですか!!」と力強く主張せず、いい意味で黒子に徹している。たとえるなら、やや味濃い目の欧州勢に対して「澄んだ水」と言ったイメージで、これもレクサスらしい個性の1つと評価したい。

 ただ、自然で心地よいダルさがあるステアフィールや応答性のよさ、リヤの安心感の高さなど素性の良さは感じる一方で、直進安定性や路面にピターと張り付く感じ、そしてフラット感などは、もうちょっと頑張れると思う。走行モード切り替えスイッチも、もっとわかりやすい差があっていいと思った。

 2005年から日本展開をスタートしたレクサスの走りは少しずつ良くなってきたのを実感してはいたものの、「ハードがなかなか伴わない」と言われてきたのも事実である。

 そんな時代からレクサスを追いかけてきた筆者としては、LCが欧州プレミアムと真っ向から対抗できる一台となったことは非常に嬉しい。もちろん、いくつか気になる所もあるが、今後の進化・熟成でどうにでもなるレベル。それは開発陣も認識しているようなので、今後の“深化”にも期待したい所だ。

 個人的には「レクサスはLCから変わったよね」を、より象徴するようなフラッグシップスペシャルモデル「LC F」や「FIA-GT3」などの登場も期待したい所だ。


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