ピニンファリーナの曲線に対し直線を基調としたデザインが特徴
ピニンファリーナとともに、イタリアを代表するカーデザインの巨匠といえば、ジョルジェット・ジウジアーロだ。曲線をうまく採り入れたデザインを得意とするピニンファリーナに対して、直線を基調とするのが特徴である。初代VWゴルフや初代フィアット・パンダはその代表例だろう。天才的ですらある。
自動車の作品としてはたくさんあるが、今回は日本車に絞って見てみることにしよう。日本メーカーの場合、プライドからかなかなか外部に頼んだことを明らかにしないが、探すとけっこうな台数を手がけている。
①スバル アルシオーネSVX
伸びやかなスタイルなどはまさにイタリアンデザインの真骨頂。しかもスバルがスケッチに忠実に作ったため、現車を見て「スケッチのままじゃないか!」とジウジアーロ自身が言ったという逸話もある。ちなみに忠実にするため、サイドウインドは開かないようにしたかったが、法規のため断念した。
②スズキ 4代目キャリイ
どちらが前か後ろかわからない六角形をしているボディ。それなのにチャンとクルマとして成立しているのが凄い。1969年の発売だけに、自らのカロッツェリアであるイタルデザイン初期の頃のデザインだ。
③スズキ フロンテクーペ
スズキはもともと外部に依頼することが多いとされるが、こちらもジウジアーロの作。ただ、フロント部分だけ使って、あとはデザインを変えてしまったため、ジウジアーロの怒りを買ったという話も伝わっている。ライトの処理などは日本車離れしている。