息つく間もなくわずか8秒で200km/hに達した
車両重量は2242kgで2トンを越えスポーツセダンとしては超重量級だ。しかし実際に走らせてみると重量をまったく感じさせない。
回転の初期から最大トルクを発揮できる電気モーターの駆動特性により、アクセルの踏み込みに対し瞬時に加速を得られる。高速道路への流入や追い越し加速など、その恩恵は走行各場面において役に立つ。
一度このトルクレスポンスを体験してしまうと、ガソリンエンジンやターボエンジン車のトルクピックアップにはもう戻れなくなる。軽快に車速コントロールができるので重さを感じないのだ。
またサスペンションの設定が秀逸で、ロールを抑えながらハーシュも小さく、クイックなステアリングレスポンスを実現していてアジリティも高い。2トン以上のクルマでこれほど軽快なハンドリングを完成させるのは、歴史ある自動車メーカーでも難しい。それが新興のテスラ社が果たしていることにも大きな驚きを覚えさせられるのだ。
アルミダイキャストが奢られたサスペンションアームやクロスメンバーなど、サプライヤーの能力も相当に高いものが採用されている。
今回特設の直線路でゼロ発進加速を確かめてみた。車両走行モードで「ルーディクラス」を選択すると最大トルクが引き出せる。Dレンジに入れ、アクセルを踏み込むだけで最大加速が簡単に発揮されるのだ。その加速Gは凄まじく、レーシングカーで鍛えた僕の首が簡単に後ろにのけ反るほど。その加速が200km/hに達するまで瞬時も途切れず、8秒ほどで200km/hを超えてしまった。
これほどの加速性能を発揮しながらも車内は極めて静寂で快適。古い言葉だが「ワープ感覚」としかたとえようのない強烈さだ。
格好良く、快適で、速く、環境にも優しい。P100Dは約1700万円と高額になったが、それでも性能を考えれば十分にリーズナブルといえるだろう。
ほぼ空の状態からバッテリーを200Vの家庭用電源コンセントから充電すると約1000円の電気代で済む。1000円で500km走るとすればガソリンに換算するとハイオク(リッター160円とすると)約6リッター分。リッター83kmの経済性だ。
充電時間や給電スポット、電費等に関してはまた別の機会にリポートしたい。