走行前と走行後のタイヤの温度のこと
タイヤの温間・冷間というのは、簡単にいえば空気圧を計るタイミングのこと。タイヤというのは適正な空気圧があって、はじめて仕事ができる部品。したがって空気圧は非常に重要。どのクルマの、どのタイヤ(サイズ)に、最適な空気圧がいくつになるかは、自動車メーカーがさんざんテストしたうえで、指定空気圧を設定し、ドアの部分にシールで「200kPa」などと書いてある。
この指定空気圧は、タイヤが冷えている状態=「冷間」時の数字を指している。一方、「温間」は、走ることにより、タイヤと路面の摩擦による熱が生じ、その熱でタイヤが温まった状態のこと。タイヤが温まると、タイヤのなかの空気も温まり、熱膨張によって空気圧が上昇するので、同じ空気圧でも「冷間」と「温間」では意味が変わってくる。
具体的には、走り出す前の空気圧=「冷間」(外気温20度)が200kPaだったタイヤで、しばらく高速(120km/h)走行を続けると、タイヤ内の温度は40~50度も上昇し、空気圧も110~115%上昇(220~230kPa)に上昇するといわれている。また、気温が10℃高くなるとタイヤの空気圧は10kPa上昇し、気温が10℃下がると空気圧も10kPa下がるというデータもある。
同様に、真夏の日中などは、日なたと日陰で10kPaぐらいの差が出るとも……。さらに言えば、タイヤにトラブルがなかったとしても、1カ月に平均で、10~20kPaの空気圧は自然に低下するものなので、適正に空気圧を管理するには、少なくとも月に一度は、空気圧の点検調整は必要だ。