温間で調整すると冷えたとき空気圧不足になりトラブルを起こしやすい
空気圧が不足すると、タイヤがたわんで変形しやすくなり、変形することで発熱し、タイヤが傷む。また剛性が落ち、操縦安定性を損ない、転がり抵抗が増えて燃費も低下。偏摩耗も発生し、最悪、タイヤが損傷したり、ホイールからビートが落ちてしまうことも……。
反対に、空気圧過多でも、タイヤの接地面積が減り、接地面中央だけ扁摩耗したり乗心地が悪化するなどの悪影響があるが、どちらかといえば、空気圧不足のほうが、よりタイヤにとって都合が悪く深刻なトラブルにつながりやすい。
というわけで、指定空気圧の点検調整は、こまめに「冷間」に行うこと。もしも、走行直後=「温間」で調整するときは、指定空気圧よりも20~30kPa高めに調整し、後ほど冷間で再調整するのが肝心。
サーキット走行をするときも、走り出す前に、走行中の温度上昇分を見込んで、はじめから空気圧を低くして走り出すのはややリスキー。できるだけ冷間の指定空気圧で走り出し、3周ほど走ってタイヤが温まったことを確認してから、一番タイヤの性能を引き出せる空気圧に調整するのがベスト。
フィーリングでいえば、空気圧は低めの方がグリップ「感」はあるが、転がり抵抗も多く、剛性面でも不安があるので、ラジアルタイヤなら、「温間」で、指定空気圧(冷間)に対し110~115%の空気圧をひとつの目安にするといいだろう。