燃費はもちろん電費表示も世界共通ではない
「km/L」、「MPG」、「L/100km」……単位も違えば、計算の仕方も異なる。
日本でクルマの燃費性能(燃料消費率)を示すのに使われている単位は「km/L(キロメートル・パー・リッター)」。1リッターの燃料で、どのくらい走行できるのかを意味する単位だ。
これがアメリカやイギリスにいくと「MPG(マイル・パー・ガロン)」となる。1ガロン(約4.55リッター)の燃料で何マイル(1マイル≒1.6km)を走ることができるのかを計算したもので、発想としては「km/L」と同じで、単位が異なるだけといえる。
つまり、「km/L」と「MPG」においては、数字が大きくなるほど省燃費(燃料消費が少ない)ということになる。時折、「低燃費」という表現に物言いがつくのは、数字が大きくなるのに低いというのはおかしいという感覚によるものだろう。
一方、欧州などで使われているのが「L/100km(リッター・パー・100キロメートル)」という単位。これは100kmを走行するのに何リッターの燃料が必要なのかという発想から生まれた単位。たとえば、日本で言う20km/Lの燃費性能は5L/100kmとなる。この表記では燃費性能に優れるクルマほど数字が小さくなるので、省燃費を示すために低燃費と使っても違和感は少ないだろう。
ちなみに、電動車両における電費は、日本では「Wh/km(ワットアワー・パー・キロメートル)」となっていて、ドイツなどでは「kWh/100km」、アメリカではガソリンエンジン車に換算した「MPGe」が使われている。それぞれ内燃機関で慣れた表記に近づけたいという心理は理解できるが、せめて電費だけでも電動車両が拡大するのを機会に世界共通化を期待したい。