公道でも役に立つ! ドライビングスクール「Yui Racing School」を体験 (2/4ページ)

参加者ひとり一人の状況を把握してくれる1対1のコミュニケーション

「Yui Racing School」は、トム・ヨシダさんのその想いを体現すべく、さまざまなカリキュラムが設定されている。ヘルメットなどレーシングギアの着用が任意で、初心者でも愛車で手軽に参加できるものから、ジムラッセルとほぼ同じ内容のレッスンを2日間みっちりと受けられるものまで、自分のレベルと目的に合わせて受講し、ステップアップしていける。

 また卒業生を対象とした「スクールレース」なるものも開催され、参加者はそこで特訓の成果を腕試しすることもできるようになっている。  

 今回受講したのは、富士スピードウェイの第二駐車場にパイロンで大小2つのオーバル(楕円)コースを設定し、そこでレッスンを受ける「YRSオーバルスクール」。クルマのバランスを崩さないで走る方法と、クルマの荷重移動を積極的に使って走る方法を体験し、最終的にクルマの限界内で走る方法を学ぶのが目的だ。 朝一番はまず、約50分間の座学からスタート。トム・ヨシダさんは出席確認をしながら、リピーターには「最近の調子はどう?」などと問いかけ、初参加者には「今までどんなところを走ってきたか?」「今日はどんな目的で来たの?」などと話を聞き、一人一人の状況を把握する。私はまずそれに感心した。

 これまで数多くのドライビングレッスンを取材してきたが、インストラクターと参加者が一対一でコミュニケーションを取ることができるケースはほとんどなかった。同じカリキュラムを受けるといっても、参加するクルマも違えば年齢も経験値も違うのだから、そのベースを知った上でレッスンを進めてくれるトム・ヨシダさんのやり方は、参加者にとってとてもありがたいものだ。 

 そして、座学では運転操作のすべての基本となる「Even Throtle」「Even Brake」の理論をわかりやすい例を交えながら解説してくれる。要するに4輪の接地バランスを限りなく均等にすることを考えながら操作すると、クルマは無理なく思いどおりに操れるという理論。頭のなかでは、「なるほど!」とすでにデキる気分満々になって、いよいよ実践の走行開始だ。 


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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