ラグジュアリー路線に転向した7代目から不遇の9台目まで
スカイラインの60周年を記念して歴代モデルを振り返る本企画。第1弾の初代から3代目、第2弾の4から6代目に続き、いよいよ昭和から平成に移行する7代目から9代目が登場する第3弾をお届けしたい。
⑦7代目 R31型(1985年-1990年)
7代目スカイライン、通称7th(セブンス)スカイラインは、「都市工学スカイライン」というキャッチコピーで、1985年に登場。いわゆるバブル経済がちょうど膨らみ始めた時期で、サイズが大きく、高級志向のクルマのニーズが高まり、スカイラインもトヨタのヒットモデル、マークⅡが火をつけたハイソカーブームに乗り遅れるなと、ラグジュアリー路線にまさかの転向……。
初年度は、4ドアのみの設定で、スカイラインファンから大ブーイング。1986年からクーペモデルが追加となる。
また、グループA参戦のためのホモロゲーションモデル、GTS-Rを限定800台で販売したり、限定200台のGTSオーテックバージョンが登場したり、トミーカイラから国産初の公認チューニングカーのコンプリートモデル、トミーカイラM30がリリースされたりと、限定モデルで注目を集めた。
しかし、ハイソカー路線と走りのキャラクターの融合は、二兎を追う者は一兎をも得ずとなり、ビジネス的には不成功に終わる。当時の日産の迷走を象徴している面もあるが、このR31の大ゴケが、名車R32、そしてGT-R復活の原動力となる。