エンジンは当時最強のスポーツユニットだったF6A型
エンジンはスズキのアルト・ワークスで定評のあったターボのF6A型を搭載。これはライバルであるカプチーノと同じで、独自のチューニングは施してはいない。ただ、当時最強のスポーツユニットとして定評があり、実際は80馬力ぐらい出ていたのではないかというウワサもあっただけに、チューニングの必要もなかったのだろう。
軽量&高剛性ボディとパンチのあるターボエンジンの組み合わせ。しかもミッドシップとくれば最高のハンドリングマシンであることは想像にも難くない。Z軸、つまり回転の中心をボディの真んなかに置いているうえに、ステアリングのロック・トゥー・ロックは2.2回転と超クイックなため、ハンドリングは超シャープ。ちなみに前後重量配分は44対56と中途半端だが、これは衝突時に危険なので、スペアタイヤを室内に移動させたからだ。
実際の乗り味はソリッドでコントロールするのはかなりのテクが必要だった。アクセルを戻すとウエストゲートの開放音が「プシュー」と響き渡り、やる気を大いに喚起。強烈に曲るものの、勢い余ると転倒することも……。まさに軽スポーツの真骨頂だった。エンジン供給元のスズキから兄弟車のキャラも登場したが、いずれにしろもうこんな強烈な個性をもったクルマはもう出てこないだろう。