万が一クラッシュした際にレンズの破片が周囲に飛び散らないようにする
サーキット走行会やスポーツ走行に参加するときは、ヘッドライト、ウインカー、テールレンズ、フォグランプといった灯火類のレンズに、ビニールテープなどで、2本掛けでバツ印にテーピングを行うルールになっている(大きなライトなら2本以上のテーピングが望ましい)。
これは万が一クラッシュしてしまったとき、ランプが割れて、破片が周囲に飛び散らないようにするため。これを「飛散防止テープ」という。
ライトのレンズ、とくにガラスのレンズが割れると拾い集めるのも大変だし、他車が踏んでタイヤを傷つけたりすると二次災害にもつながるので、マナーというより、安全上のルールとして定着している。飛散防止が目的なので、テープの端は必ずボディ側にまでかかるように貼るのがポイント。
サーキットによっては、プラスチックレンズの場合テーピングが義務になっていないケースもあるが、基本的にすべてのレンズ類と、ブレーキマスターの蓋やパワステオイルタンクの蓋、バッテリーのプラス端子なども、いざというときはずれないようにテーピングしておくべきだろう。
「飛散防止テープ」は、ビニールテープが一般的。ちなみにゼッケンを貼る場合は、布ガムテープか養生テープの方が向いている。一番、粘着力があるのは布ガムテープだが、走行後に剥がすことを考えると、あまり強力なものだと、糊が残りやすく剥がしにくかったり、古いクルマだと、ボディの塗装もテープと一緒に剥がれてしまったということも……。
逆に養生テープは剥がしやすいが、風圧で飛んで行ってしまうこともあり、また切れやすいので不向きな面も……。こだわる人は、ボディの同色や近い色のテープ、あるいは透明のビニールテープなどを用意している人もいる。「飛散防止テープ」といってもなかなか奥深いものがあったりするのだ。