4点式のみはシートベルト装着義務違反に問われる
レーシングカーやラリーカーなどモータースポーツの競技車両でおなじみの4点式シートベルト。レースで使用できるぐらいだから、純正の3点式より安全で、当然車検もOKと思うかもしれないが、純正の3点式シートベルトをせずに、4点式シートベルトだけで運転をしていると、シートベルト装着義務違反に問われ、減点の対象となる。
保安基準には、「通常の運航において当該座席ベルトを装着した者がその腰部及び上半身を容易に動かし得る構造のものであること」というルールがあり、4点式シートベルトでは、それを満たしていないからだ。
公道では、サーキットなどと違い、見通しの悪い交差点では、前かがみになって安全を確認する必要があったり、エアコンやオーディオなどの操作や、バックのときに身体を後ろに捻ったりと、ある程度上半身の自由度がないと支障があるというのがその理由。
「運転席と助手席の第二種座席ベルト及び運転席の第一種座席ベルトは通常の運行時に腰部と上半身を容易に動かせる構造(ELR)でなければならない(道路運送車両の保安基準 第22条の2)」ゆえに、ELRリトラクター(自動巻き取り装置)のない4点式シートベルトは、公道ではNGということになる。
また、「シートベルトは容易に着脱ができ、長さが調節できなくてはならない」といった保安基準もクリアしているとは言い難いし、後部座席のあるクルマに4点式シートベルトをつけるとなると、乗車定員記載事項の変更の手続きも必要になる。