輸入車ならなんでもスーパーカー扱いに
そこでどうなったかというと、輸入車ならなんでもいい状態へとなっていった。筆者もじつはスーパーカー世代ど真ん中なのだが、近所のおばさんがもっていたシトロエンに乗せてもらって、オレはスーパーカーに乗ったぞ!
父親の知り合いがちょっとダークなお金(苦笑)で買ったリンカーン・マークVのヘッドライトカバーを開け閉めを見せてもらって、リトラクタブルヘッドライトだ! と飛び上がったものである。今になって思えば、リンカーンのはただのカバーなのだが。
結局「サーキットの狼」自体が終わってしまったし、新しいネタもなくなったことでブームは1980年になる前あたりに終わってしまったのだが、クルマ好き、そしてカメラ好きを大量に誕生させたのは大きな功績だろう。
実際に現在、クルマが好きという一番若い世代はスーパーカー世代(50歳前後)だったりもする。またスーパーカーでカメラを覚えて、そのままプロになった自動車専門カメラマンなんていっぱいいる。
ちなみにカメラマンになったきっかけは、スーパーカーブームのあとに来たブルートレインブームと天体観測ブームに由来するプロも多かったりする。
今でも社会的に大きなアイコンとしてその功績が残っているのが、スーパーカー世代。自動車メーカーの開発陣にもスーパーカー世代であり、その影響を公言するひとはたくさんいるし、50歳前後ということは現場を引っ張っている世代でもある。
スーパーカーブームがなかったら、今のクルマ作りにも影響があったといっても大げさではない。もう二度とあんな狂ったことにはならないだろうが、その後のクルマ作りを変えたし、自動車史においても記憶に留めておくべきブームだろう。