悪路で路面とクルマが干渉しないための重要な指標
登ったり、下ったりといったラフロードでは最低地上高の余裕に加えて、路面とボディ(前後バンパー)が干渉しないことも重要だ。その指標となるのが「アプローチアングル」と「デパーチャーアングル」だ。
いずれもバンパーとタイヤをつないだ線が地面となす角度のことで、前者はフロント側、後者はリヤ側のスペックを示す。たとえばスズキ・ジムニーのアプローチアングルは49度となっているが、これは49度という急坂へフロントから進入してもバンパーが路面と干渉しないことを意味している。一般にバンパーの飛び出しが少なく、地上高を稼ぐ形状になっているほど数字は大きくできる。
言葉も長く、わかりづらいのが「ランプブレークオーバーアングル」だろう。これは前後輪それぞれの接地点から車体中央(ホイールベースの中心部分の底部)をつないだ角度のことで、たとえば前後輪とも載ってしまうほど大きな岩などを超えるときに、頂上部でボディ底部と岩が干渉するかどうかを判断するのに参考になるスペックだ。
こちらは傾向としてタイヤが大径で、ホイールベースが短いほど有利。かつてクロカン四駆にはホイールベースの異なるロングボディとショートボディが設定されていた(現在ではパジェロくらい)が、それはランプブレークオーバーアングルではショートボディが有利であり、本当にラフロードの走破性を求めるユーザーからニーズがあった故だ。