車両価格は高いがそれだけの価値が感じられる内容
PHVである以上、充電機能についても紹介しておく必要があるだろう。プリウスPHVは普通充電として100Vの通常家庭用電源と200Vの交流電源を利用でき、急速充電にも対応している。
100Vでは約14時間、200Vでは約2時間20分、急速充電は約20分の充電時間とされ、電気料換算だと100Vの標準的な家庭用電気契約の場合は概算で130円ほどだという。レギュラーガソリン約1リッターの料金で60km走れるのなら経済性も優れているといえる。
68.2kmというのはJC08モード走行時なので、実際には市街地で30kmほどのEV航続距離になると考えられる。プリウスPHVのPHVの所以たるHVモードでは、燃費が37.2km/L(17インチタイヤだと30.8km/L)なので、市街地ではEVモード、高速道路などではHVモードで走るようにドライバーがスイッチングで積極的に選択することがお薦めだ。
ちなみにEVモードスイッチを長押ししているとチャージモードに切り替わり、停止中でもエンジンが始動してバッテリーに充電を行う。チャージモードでバッテリーをフル充電にするにはガソリンを2.5リッターほど消費することになるそうで、それだとコスト的には高くなってしまう。
プリウスPHVの走行性能は、質感、ハンドリング、直進安定性そして動力性能も文句ないレベルであることが確認できたが、惜しむべきは乗車定員が4名に制限されてしまったことだ。後席は左右独立タイプになりセンターコンソールが備わって高級感は増したが、実際には5人乗車が必要なユーザーは購入を控えざるを得ない。
また価格がベーシックのSでも320万円から、と高額になった。試乗車のSナビパッケージ仕様では366万円にもなり、さらにルーフのソーラーパネルを装着するとなると28万円をプラスしなければならない。
リヤテールゲートをガーボンセラミック製とすることで大幅な軽量化を実現し、燃費や運動製能向上に寄与させるなど、リチウムイオンバッテリーだけでなくコストのかかった作りであることは理解できる。
スタイリッシュでカッコよくなったフロントグリルやリヤコンビネーションランプ回りのデザインも一新され、4代目プリウスの不評だった部分の多くは改善された。クルマとしての魅力の高まりが価格上昇に反映されてしまうのは理解しなければならないだろう。