EVモードを選択しておけばエンジン始動せず静かにスタート
「これがトヨタの、答えです」と発表会で高らかに宣言され、登場したのがプリウスPHV(プラグインハイブリッド)だ。
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プリウスといえば昨年4代目へと進化した新型が登場して注目を集めたばかりだが、早くもその進化モデルが登場したことになる。実情を明かせば昨年度内にPHVモデルも追加投入されるスケジューリングだったが、のちに触れるカーボンセラミック製テールゲートの生産体制が遅れたなどの理由で年を跨いでの登場となってしまった。
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ではPHVとなったプリウスが一体どんな仕上がりになっているのか、早速試乗リポートを報告しよう。
今回試乗したモデルはSナビパッケージ仕様だ。プリウスPHVには、ベーシックのSと装備アップしたAの基本2グレードがあり、ベーシックのSにナビゲーションをセットしたのがSナビパッケージ。AグレードにはAプレミアムという豪華仕様もラインアップされるが、話題のソーラーパネルをルーフに設置できるのはSグレードのみになる。
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試乗したSナビパッケージには残念ながらソーラーパネルは装着されていなかったが、11.6インチという大型ディスプレイパネルがインパネ中央に設置され未来感が高められている。
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運転席に着座すると、このディスプレイの大きさに驚かされるが、そのほかのユーティティ、装備類はプリウスとほぼ同様で使い勝手として特別なものはない。
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スタートスイッチを押し、機能をスタートさせる。通常のプリウスの場合は条件によってはエンジンが始動してしまうが、プリウスPHVはこの時点ではエンジン始動しない。ちなみに試乗当日の外気温度は7度で、エアコンは設定温度24度でオートのスイッチが押されていた。
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さらにシートヒーター(運転席及び助手席に装備)もスイッチが入っていたが、それでもエンジン始動しないまま走り始めることができる。これは始動時のデフォルトがEVモードとなっているためで、どんなに外気温が下がっていてもエンジン始動させないままEVとして走り始めることができるのだ。
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たとえば住宅街などの深夜・早朝など、エンジンを始動させないまま静かに出発したいのに、エンジンがかかってしまうという状況が多くのプリウスユーザーから寄せられていたが、PHVはそんな要望に完璧に応えている。
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