飽くなき追求を続けるポルシェの意思が体現されたモデル
アシッドグリーン(ライム色)に塗られたブレーキキャリパーがアイコンとなるPHEV、パナメーラ 4 Eハイブリッドに南アフリカの最南端の都市、ケープタウンで乗った。
15世紀ごろから欧州の人たちはこの喜望峰を経由してインドを目指した。スエズ運河が開通する以前は南極大陸から吹き付ける風が多くの船を難破させ、大西洋からインド洋までの船旅はそう簡単なものではなかった。
しかしアフリカ大陸を越え、この試練を乗り越えると、インド洋の貿易風に押されて、インドまでたどり着く。当時の人々は「この海の向こうにはきっと新天地があるはずだ」と信じて旅を続けたのだろう。4Eハイブリッドのステアリングを握りながら、ふとそんなことを思ったのは、ポルシェの大きなチャレンジを感じているからだ。
世界を代表するスポーツカーメーカーでありながプラグ-イン・ハイブリッドを熱心に開発し、さらにピュアEVのミッションEも続く。
どのメーカーにも増して積極的なクルマの電化や、2020年頃とされるミッションEの登場は、現状のブランドイメージや立場に満足することのない、自動車の新天地を目指したポルシェの飽くなき挑戦なのだ。
フロントフェイスとリヤビューに911のイメージが重なってしまう新型パナメーラは、個人的には現代版928、つまりポルシェ流の4ドアクーペのようにも思えた。まずはこの2代目パナメーラで追加されたロングホイールベースのパナメーラ4Eハイブリッドエグゼクティブを味見する。