レギュレーションの大幅改訂で迫力を増したニューマシン
間もなく2017年F1GPが始まる。開幕戦は3月26日に決勝レースを迎えるメルボルンのアルバート・パークに特設される公道コースのオーストラリアGP。今年は、そこから最終戦、11月26日のアブダビGPまでの20戦が世界各国を巡って行なわれる。
そこに向けて、ルノー・スポール・フォーミュラ・ワン・チームは、他チームに先駆けて、2000人以上の列席者を集め、ロンドンで新型車のRS17を発表した。
今年のF1は大変革の年と言われている。車両規則が大きく変更されたからだ。1950年から始まるF1GPの歴史で、これまで車両規則は数えきれないほどの変更を繰り返してきた。繰り返し変更される規則は、テクノロジーを追求してスピードを高めようとするデザイナーたちと、安全のためにスピードを抑制しようとするFIAとのいたちごっこにも似て歴史を繰り返してきた。
しかし今年は、これまでとは正反対の方向に規則が変わった。これまでは、変更によってスピードが抑制され、それをデザイナーたちが乗り越え、さらに規則が厳しくなる、という「抑制」パターンだったが、今年の規則は、ラップタイムが平均して4秒ほど速くなると噂されているからだ。これまでとは、まったく反対に規則が動いたのだ。
規則変更は、新たに発表されたルノーRS17の外観からも見て取れる。マシンの外観は格段に迫力を増し、特にリヤタイヤは、幅広くなり、ボディは低く幅広くなり、リヤウイングは地上高を規制され、低い位置に装着された。これらの制約で、2017年型のマシンは、幅広く、平べったくなり、観るものに迫力を与えるシェイプになった。
ルノー・スポールF1チームのテクニカル・オフィサーのボブ・ベルは、RS17を前にして、「ワイドになったタイヤとボディ、新しいフロントウイングと低いリヤウイング、そしてパワフルなディフューザーで、去年に比べてラップタイムは5%縮まるだろう」と語った。
他チームより早く姿を現わしたルノーRS17は、ルノーF1チームのイメージカラーのイエローと黒に塗り分けられているが、大きくなったボディは見るからに迫力にあふれ、開幕戦のスタートが待ちきれない気分にさせてくれた。
ボディが大きくなったということは、空気抵抗が増加して直線部分での最高速は落ちる方向だが、パワーユニットと呼ばれる回生システム付きのハイブリッドエンジンは、去年より進化してパワーアップしていることから、空気抵抗の増大分を帳消しにするかもしれない。
ボブ・ベルがコメントした、ラップタイムが5%速くなる、具体的には1周あたり4秒ほど速くなる計算になるという理由は、、大きなタイヤでグリップが上がり、ダウンフォースが強力になることで、コーナリングスピードが格段に高まるからだ。