高速を走っていて気になるノイズは大きく4種類にわけられる
今どきのクルマは燃費を稼ぐために、低いエンジン回転数を使うようなギヤ比になっている。また、一部のハイブリッドカーではエンジンを止めて、モーターだけで高速走行も可能だ。つまり、高速道路を走っているときに気になるノイズの多くはエンジン以外に由来している。
そのノイズは4つの原因による。ひとつはボディ形状に由来する風切音。とくにドアミラー周辺で発生する音は気になるものだが、そのため十分に対策されていることが多い。また、旧車などではボディの隙間から侵入する風切音も無視できないだろう。
そのほか「ロードノイズ」、「パターンノイズ」、「共鳴音」と呼ばれるノイズがある。いずれもタイヤ由来のノイズでそれぞれ「ゴー」、「シャー」、「ドォーン」といった擬音で表現されることが多い。
「ロードノイズ」というのは、道路表面の細かな凹凸による入力がタイヤからサスペンションを通して、ボディに伝わって発生するもの。トレッド面の変形、タイヤ全体の変形、サスペンションを支えるブッシュなどを工夫することで抑制する方向で技術が進化している。ユーザーレベルではフロアの振動を抑えるようなマットを敷くなどのカスタマイズでノイズを低減することができるだろう。
「パターンノイズ」というのは、トレッドパターンが空気を切り裂くことに由来するノイズ。競技用タイヤなどトレッドパターンが一定のタイヤでは特定の周波数のパターンノイズが大きくなるため耳につきやすい。
逆に、コンフォート系タイヤではトレッドパターンのピッチなどをランダムにすることで周波数を分散させ、ノイズを小さくするといった工夫がなされている。逆に、スポーツタイヤはパターンノイズよりもグリップ性能を優先する傾向にあるといえる。
「共鳴音」というのは、大きめの段差などでタイヤ表面に入力があったときに、内部の空気が太鼓のような役割を果たして生まれてしまう残響ノイズのこと。
空気を注入するというタイヤの仕組みから、このノイズを抑えることは難しいとされていたが、現代ではタイヤ側に吸音スポンジをつけてみたり、ホイール側にレゾネーターをつけてみたりといった技術が確立されている。具体的には、タイヤ側に吸音スポンジをつけているのがダンロップ。ホイールにレゾネーターを装着する手法は自動車メーカーとしてはホンダが提案、多くの賞を受賞している。
※ダンロップの吸音スポンジは「サイレントコア」という名前で市販タイヤに採用されています。採用例:VEURO VE303、LE MANS V
※ホンダのホイールレゾネーターは、レジェンド、ジェイドなどに採用されています。